相続手続きで一番重要なのは、亡くなった人の財産について「誰がどれを取得するか」決めることですが、分けやすい財産ばかりとは限りません。
相続税の計算過程は、上の図に示したとおりですがとにかくややこしいです(笑)
相続税を計算する上でも一番大事なのは、亡くなった人の財産について「誰がどれを取得するか」(遺産分割協議)です。亡くなった人の財産について、土地は長男、預貯金は母、株式は長女…というように分けていくのですが、分けやすい財産ばかりとは限りません。
会社オーナーの場合には自社株式とか、事業用の減価償却資産など。農家だと、農地。不動産のオーナーであっても、相続財産が不動産しかないような場合には分けるのが難しいです。
共有で取得すれば良いという考えもありますが、共有関係は解消が難しいので、あとあと子孫が非常に困ります。
(参考)共有関係の解消は難しいので…
極端な例ですと、本人・長男・長女のような家族構成で、相続財産の殆どが不動産(自宅)のような場合。不動産(自宅)を分けるのが難しいので、相続人である長男もしくは長女が不動産を取得することになります。仮に長男とその家族が本人と同居していたような場合には、いろいろと困った問題が生じます。
長男と長女の間で話し合いが付いて、長女が何も財産がいらないとなれば良いのですが、遺留分が有りますので、長女が「財産をよこせ」と言ってきた場合には、財産を渡さなければいけないのですが、実際に住んでいるので、自宅を売却してお金を作って…とまぁ、最悪のパターンを考えると非常に大変です。
このような場合には、代償分割という方法が有効です。
代償分割とは、相続財産に分けるのが難しい財産しかないような場合に、分けるのが難しい財産を取得した人が、それ以外の相続人にお金を支払うというものです。先の例ですと、自宅は長男が取得しますが、長男は長女に一定のお金(代償金)を支払います。
この方法を応用すれば、企業の自社株式でも後継者の社長が株式をまとめて取得し、事業を継がない相続人にはお金を支払うとか、農家だと、農業を引き継ぐ後継者が農地を取得し、農業を引き継がない相続人にはお金を支払うことで納得してもらうということが可能になります。
この方法を採用するためには、代償金が必要になりますので、手元資金で賄えない、相続財産に預貯金が殆どないような場合には、生命保険などを活用してお金の準備をしておくことが重要です。