何気なく雑談しているように見えて…

税理士業を知らない人は、税理士は机に向かって書類をまとめているデスクワークだと思っているようですが、もちろんそんな側面も有りますが、クライアントと会って話をするのもとても大事です。

打合せのない契約もあるが

税理士の関与の仕方は事務所によって、あるいは契約などによって異なります。

なかには打合せがほとんど無く、資料のやり取りをしてデータをまとめて申告するだけという契約の形態もあります。

もちろん、クライアントがそれを望んで、決算などに差し支えがなければ、それでもいいと思いますが、個人的には打合せはある程度は必要なのかなと思います。(弊社では打合せなし・決算作業のみという依頼はお受けしていません)

打合せで経理処理の「確度」が上がる

話をしてみないと、会社の方向性や状況など、わからないこともあります。とくに社長の意向などは聞いてみないとわからないことだらけです。

領収書や請求書だけだと見えなかった事情も、打合せして、社長や担当者の話を聞いてみると、状況がわかるということはよくありますので。(語弊を恐れずに言えば、社長や担当者の話していることを数字で裏付けを取るということもあります)

ちょっと専門的になりますが、会計(経理と言っても差しつかえないでしょう)は「記録と慣習と判断の総合的表現」だと考えられています。
要するに、会社の実態が最もよく分かるように一番いい形で経理処理を選択(判断)しなさい、ということです。

会社の実態が最もよく分かるように処理をする、には、会社の実態を知っておかないといけないですから、打合せ(雑談に見えても)で、判断の確度が上がるので、つまり会計(経理)処理の確度が上がるわけです。

雑談は重要

そんなわけで、税理士が社長や会社の人と雑談しているのを見かけることがあります。(私はことさら雑談が多いと言われますが…)

もちろん、単なる雑談もありますが、社長の考えていることだとか、会社の状況や方向性などもわかります。
すると、会計処理をしたり税務判断をするのにも、判断材料が増えて確度が増します。

雑談といえば卑近な感じがしますが、打合せといえば格調高い。どっちにしろ、税理士業は何らかの「判断」が必要になる局面が多く、適切な判断をするためには材料が多い方が良いわけです。

「打合せはいらない、記帳代行して決算をしてくれればいい」というスタンスで税理士を探したり、付き合ったりしている人が一定数います。割り切ってしまえば、それはそれでありですが、色々と勿体ないなとは思います。