助成金が必ず貰えると勘違いしている人もいるようですが、そういうものではありません。
助成金とは
国が政策をすすめる際にくれる返済不要のお金のことです。ただし、国が進める政策方針に合致しないともらえません。
例えば、最近の流行りは「キャリアアップ助成金」というものがあります。ザックリいうと、従業員等のキャリアアップを進める(非正規雇用を正規雇用にするとかetc)と一定のお金がもらえるというものです。
助成金には「キャリアアップ助成金」のように厚生労働省が中心となっているものと、経済産業省が中心となっているものと大きく分けると2種類あります。
厚生労働省が中心となっている助成金
厚生労働省が中心となっている助成金は、ザックリと言えば、従業員などの「働く環境を良くする」と貰える助成金です。
ただし、従業員の働く環境を良くするというのは雇用を拡大したり、給料を上げたり、会社のお金で研修を受けさせたりと…、金が出ていきます。
先にお金を払って労働環境などを整備しておき、その後、申請をすれば一定の金額の助成金が貰えるというわけです。
助成金は返済不要なためメリットはあるものの、労働環境などを整備するためには多額の資金が必要ですし、労働コストは固定費となって会社の経営を圧迫します。ですから、基本的なスタンスは「条件にうまく嵌りそうだったら狙いに行く」というのが良いでしょう。
経済産業省が中心となっている助成金
経済産業省が中心となっている助成金は、ザックリと言えば「イノベーション」みたいなことをすれば貰える助成金です。
経済産業省系の助成金は、誰でも貰えるわけではなく審査に合格しなければなりません。助成金の種類によっては10〜20倍にも登る倍率と言われており、高いハードルとなっています。
こちらも、まず支出をして(イノベーションして)から申請し、審査で認められれば助成金が貰える仕組みです。必ず貰えるとはいえませんし、これを当て込んだ資金繰りをすると危険なのは明白です。相当程度の確度を持って、かつ条件にうまく嵌りそうだったら狙うというスタンスに加えて、事前の準備にも手間を掛けることが必要でしょう。
誰に頼む?
厚生労働省が中心となっている助成金は、雇用関係にかかわるので「社会保険労務士」に頼むのが良いでしょう。ただし、社会保険労務士(社労士)と言っても、助成金に明るくない人もいますので、会社の顧問税理士経由で探してもらうのもベターだと思います。(人脈の豊富な税理士だと、そういった知り合いがいますので)
経済産業省が中心となっている助成金は、助成金のコンサルタントのような人がいます。厚生労働省が中心となっている助成金は、要件にさえ合致すれば、ほぼ貰えるのに対して、経済産業省系の助成金は審査に通らなければいけません。
ということは、最悪の場合、経済産業省系の助成金はもらえない上に、コンサルタントへの報酬は支払わなければならないということになります。(成功報酬型もありますが、それなりに高いです)
助成金を資金繰りに当て込まない
助成金は、要件にさえ合致すれば貰えるものと、審査に通らなければ貰えないものがあります。
要件にさえ合致すれば貰えるものも、こちらの都合で「早くください」とか、そういったことは出来ませんから、貰えればラッキーぐらいな気持ちで資金繰りに当て込まないほうが良いでしょう。
不確実なものを期待して、外れたときの手当は大変ですので。
また、助成金の趣旨が理解できていれば、決して、「貰い得」では無いことが分かるかと思います。根拠不明な情報などに惑わされないようお気をつけください。