資金繰り 在庫が多すぎると問題なワケ

 「在庫が多すぎると問題」と、よくいわれます。在庫が多いと資金が寝ている状態になりますから、資金効率の面から問題が有ります。

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資金効率の問題

 企業は手持ちのお金(資金)を、商品などの在庫に投入して売上を上げます。最終的に売れるのだから、たくさん持ってても良いのではないかと思われがちですが、そう簡単な話でもありません。

 

 企業は限られた資金しか持っていませんので、その資金のうちで在庫に投下する資金の量が増えれば、それ以外に使える資金が減ります。上の図で見れば明らかですが、左の在庫が少ない場合よりも、右の在庫が多い場合の方が資金に余裕が有りません。

 

 資金に余裕が無いと、経費の支払や設備投資などに資金が回せなくなります。資金繰りを圧迫している状態ですね。在庫を持ち過ぎるのも問題が有るのです。

 

資金効率以外の問題

 在庫が多いと資金効率以外の問題も生じます。最も大きな問題は、在庫の維持コストです。保管をするために倉庫の賃料・保険料もかかりますし、メンテナンスの費用もありますし、棚卸しをするのも大変です。

 

 また、在庫が長期間売れないまま残っていると、当然のことながら劣化します。劣化すれば当初の値段で売れませんので、値下げをしたりあるいは処分をすることになります。

 

少なすぎるのも問題が

 そうは言っても、在庫が少なすぎるのも問題が有ります。在庫が少ないと、欠品のリスクが増えます。お客さんから、商品の注文を受けても、肝心の商品が手元に無いと貴重な販売のチャンスをみすみす逃してしまう結果になりかねません。

 

 そういった理由から、多くの会社では営業部門は在庫を持ちたがり、管理部門は在庫を持ちたがらない傾向に有ります。あちらを立てればこちらが立たずと難しい問題ですね。

 

適正な在庫を持つ

 簡易的に在庫が多いか少ないかを判断するのに、「在庫月数」を求めます。在庫月数は「平均在庫金額÷年間売上高×12ヶ月」で求めます。そうすると、平均何ヶ月分の在庫を持っているかが分かります。

 

 業種などによっても違いがありますので、一概にはいえませんが、最近では在庫月数を1.5ヶ月以内に抑える企業が多いようです。