融資の審査では、欲しいだけ借りられるというものでなく「返せると思われる金額」しか貸してくれません。
ですから、必要金額を割り出すことは融資の可能性を高めること、そして返済時の資金繰りに余力を持たせることからも重要です。
実務的には、借りられる「枠」がどのくらいあって、そのうちどれだけ必要か?を考える必要があります。

借りられる「枠」
一般的に「年商の半分」に借入残高が達すると、返済圧力がキツくなり、日常の資金繰りにかなりの負担をかけるとされています。
年商が1億円なら、ざっくりと借りられる「枠」は5,000万円ほど。(実績などの他の条件によっても変動し、金融機関は教えてくれないので推測するしかありません)
つまり、会社の決算が良くて利益が上がっていても年商1億円で既に5,000万円を借入れていれば、「枠」がないから借りるのはかなり難しいでしょう。
必要額は
【運転資金】
運転資金ならば資金繰り予測でショート分を補う借入が必要で、厳密にやると複雑な計算となります。
とはいえ、小規模企業ではそこまで完璧な資金繰り表を作らずとも
資金の一番多いときと少ない時の「幅」といまの残高の「差」を埋めるようなイメージでやれれば充分なケースがほとんどです。
例えば、資金の一番多いときが4,000万円で少ないときが1,000万円だと「幅」は3,000万円。
現時点での資金(キャッシュ)の残高が2,000万円だと3,000万円−2,000万円=1,000万円程度は必要といった感じです。
【設備資金】
これもさまざまな考え方がありますが、全額を借入で賄うのは資金計画が破綻しやすいため、自己資金で不足する部分を借入するのがセオリーです。
全額を借入で賄うと、「設備の価値」が借入金を下回ってしまう可能性が高いこと。
設備を利用することによる利益は企業に帰属するのだから、一定のリスクは企業が負うべきだとする金融機関のスタンスなどが理由です。
少なくとも30%程度、できれば半分程度は自己資金を入れることが余裕のある資金繰りに繋がります。
返済期間は
運転資金は3〜7年が多く、設備資金は5〜10年とやや長くなるケースが多いですが、企業の実績や担保価値、与信などさまざまな条件により変わります。
経営者にとっては、月あたりどのくらいの返済か?という観点がわかりやすく、そのように考える人が多いです。
1,000万円を5年で借りると
1,000万円÷(5年×12ヶ月)≒166,666
利息を含めると18万円前後の返済になります。
いまの月々の事業のなかで返せるのか?
と考えるとリアルに考えられ、すると期間を長くとるか元金を減らすか、ということも考えられるでしょう。
まとめ
融資は借りたいだけ借りれるものでなく、小規模企業は概ね年商の半分程度が上限となる。
そのなかで必要額を、資金の幅と現在残高から割り出したり、設備の見積もりから算定する。
標準的な返済期間で割り算して、月あたりの返済がどのくらいになるか「リアルに」想定してみて、調整すると現実的な借入額が算定できる。


