電子書籍は便利だが、勉強は紙でした方が良い面もある

電子書籍と紙の書籍、両方で勉強してみましが、どちらも一長一短があり、必ずしも電子書籍が全て優れているとは言い切れないと思います。
そのうえで、自分自身の好みと勉強の特性に応じて電子書籍と紙媒体の書籍を使い分けるのが良いのかもしれません。

勉強以外なら圧倒的に電子書籍

勉強以外の用途なら、圧倒的に電子書籍が便利です。
漫画や小説などは置き場所に困るわけですが、電子書籍だとデータですから置き場所の問題はありませんし、重複して同じ本を買ってしまうということもありません。
一般的な電子書籍のメリットをフルに享受でき、デメリットも大きくありません。
ですから、雑誌だとか漫画、小説などは電子書籍のほうがいいと思います。

勉強は特殊な使い方が多い

勉強は、テキストを特殊な使い方をすることが多いです。
本来の使い方である、見る・読むというだけでなく、書き込んだりマーカーを引いたり、特定のページを対比したり、他の参考書などと付き合わせたり、問題を解く時に参考としてみたり…と、さまざまです。

漫画や雑誌などは、ほぼ見る・読むという使い方だけですので、電子書籍で良いのですが、特殊な使い方をするのであれば紙媒体のほうが適している面が多いのです。

書き込む・マーカーを引く

電子書籍でもメモ書きを入れたり、マーカーを引くことが可能ですが、まだまだ紙媒体のように自分の思い通りにはできません。
試験勉強などに使う場合、テキストに概略や詳細などを書き込むこともありますが、テキストの本文と対比させるのが大事なので、メモ書きだけを見てもあまり役に立たません。

さらに、ちょっとした図解なども書き込むことがあるため、電子書籍にあるような単なるメモ的な機能だと、物足りないです。
紙媒体だと、テキストの本文と対比させながらメモ書きも見れるし、図解などの大きさもある程度は調節できます。
テキストの図解に書き込むなんて荒技も。

(個人的には、ちょっと余白は大き目のテキストが優れていると思います)
マーカーは、電子書籍でもそこまで機能としては劣りませんが、マーカー単体で使うより、メモやちょっとした図解と合わせて使うことも考えると、紙媒体の方が良いのかと。

特定のページを対比する

勉強でテキストを使うときには、類似した論点を対比して考えたり、整理したりすることはよくあります。
電子書籍でも異なる複数のページを行ったり来たりはできるのですが、紙媒体は指を挟んで見比べたりと、紙ならではの強みがあります。
勉強というのは、「似たような・でも完全には同じでないこと」をうまく区別しなければなりませんから、複数のページ(或いは複数のテキスト)を対比できるというのは必須で、この点においては紙媒体が有利でしょう。

他の参考書などと付き合わせる

勉強していることの専門性が増すにつれて、他の参考書などとテキストを付き合わせることも増えてきます。
(税法の勉強だと、法規集とテキストを付き合わせるなどは頻繁ではありませんが、ここぞというところでは、しっかりと確認します。)

テキストでは掘り下げきれてないところや、テキストとは違う角度で考えたいとか、そういったことは勉強していると出てきますので。
さらに、そこで調べたことをテキストに書き込んだりもします。
電子書籍ですと、同時に開くということができませんから、やはり紙媒体も必要かなと。

問題集を解くときの参考とする

問題集などを解く時に、テキストを開いて、参考にして…少なからず、勉強をしていれば、そういった場面はあります。
勉強は「インプットとアウトプットの両輪」が噛み合わないと、うまく進みません。
このときに、パッとお目当てのページを開きたいわけです。

掴みかけたフィーリングを逃さないように。
電子書籍でも、お目当てのページをダイレクトに開くことはできますが、紙のような直感的に素早くという域には到達していません。
問題を解いていて、何だったっけ?→ですぐにパッとお目当てのテキストのページを開く→ああ、そうだった、のこのリズム感が乱れると勉強は捗りません。

紙ゆえの視覚感

勉強するとき、テキストを一生懸命に読み込むわけですが、集中を研ぎ澄まして、幾度となくテキストを読み込むと、感覚的にテキストのこのあたりにこういったことが書いてあるということが、頭に染み込んでいきます。

視覚的に覚えるという感覚です。
電子書籍でも、できないことはないのですが、視覚的にテキストの構成や内容を覚えていくのは、紙媒体のテキストの方がしくっりきます。
電子書籍だとリーダーのデバイスとしての性能や物理的な視野による制約があって、紙よりもそこは勝手が悪いです。

物理的な体感も必要

勉強法は人によりけりなのですが、勉強は単なるデータの詰め込みだけでなく、物理的な体感を伴いながら、頭に染み込ませていく行為でもあります。
そういった物理的な体感というのは、データだけでなく物理的な媒体を伴った紙のテキストの方が優れていると思うわけです。

少なくとも、紙媒体で育った世代は、そういった原体験に縛られているので、まだまだ紙媒体の活躍の場はあって欲しいなと思いますし、完全には廃れないのではとも思います。