再建築価格と調達価格の違い|相続税評価での誤解を防ぐポイント

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相続税の評価で登場する「再建築価格」と「調達価格」は、似ているようで本質的に異なる概念です。これらを正しく区別しないと、財産の評価が不当に高くなり、相続税の負担が増す可能性もあります。この記事では、両者の定義と違いをわかりやすく整理します。

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再建築価格と調達価格とは?

再建築価格とは

再建築価格とは、構築物や門・塀などを評価する際に用いるものですが、「課税時期において同資産を新築した場合の評価額」のことです。

要するに「いま新しく作ったらいくら掛かるの?」という金額のことを再建築価格と言ってます。

 調達価格とは

調達価格とは、庭園設備や動産などを評価する際に用います。「課税時期において同資産を現状で取得する場合の評価額」のことです。

※庭園設備(庭木、庭石、あずまや庭池等)のよくある勘違いですが、相当高価なものしか評価しないというのが一般的な考え方なので、一般的な家庭では庭の設備を相続税の課税対象とすることは稀です。

 相続税評価における両者の違い

再建築価格は「新品価格」ベース

再建築価格は「新品を手に入れるのにかかる金額」をもとに価値を減った分を差し引いて計算しています。

調達価格は「中古の現状」ベース

調達価格は「全く同じものを手に入れるとしたら必要になる金額」です。庭石など新品で買うと幾らか?経過年数は何年か?などは、どんなに頑張ってもわからないことが多いですから。

 評価時に適用される補正等の違い

以上の点が大きく違いますので、構築物などの評価をする際には再建築価格から減価の額を差し引いて70%を乗じますが、

庭園設備の場合には調達価格には既に減価の額(新築から使用することによる価値の減少分)が考慮されていると考えられるため、調達価格にダイレクトに70%を乗じて評価をすることになります。

誤解が起きやすいので

上記のように、誤解の生じやすい分野でもありますから、専門家にきちんと相談すべき内容でしょう。

相続税というとどうしても、金融資産や不動産を中心に考えてしまいがちですが、このような「あるけれど金額がいまいちピンとこない」財産を補足することで、相続税評価の精度が上がります。