兄弟で経営をするのは、いい面もあれば悪い面もあり、現代的な価値観を持っている場合はやめておいた方がいいでしょう。
共同経営はうまくいかない
まず、大前提として共同経営は上手くいきにくいということが挙げられます。
結婚生活でさえ、3組に1組は離婚すると言われている世の中で(異なる見解もあります)、結婚よりもハードルが高い共同経営がどれほどうまくいくのかを考えれば、自明でしょう。
共同経営は、はじめはうまくいっていても「俺の方が売上を上げている」「俺の方が仕事を多くしている」「俺には家族がいる」とか、そんな感じで利益の分配などで揉めはじめると、収拾がつかなくなります。
結婚生活の場合には、結婚しているわけですからまさに一蓮托生で、徐々に価値観などのすり合わせも行われているわけですが、赤の他人との共同経営などでは不満が溜まりやすいでしょう。共同経営だけでなく、共同事業なども失敗をよく見かけます。
だから、共同経営ではなく主従関係で経営しなければ、機能しないわけです。
兄弟で主従関係が結べるか?
ひと昔前の価値観であれば、長男が仕切って弟たちはそれに従うというような考え方が主流でしたから、同じ兄弟であっても、長兄が仕切って弟たちがついていけばよかったのです。
しかし、現代では兄弟皆平等みたいに育ってますから、長兄が仕切ってみたいなことが難しい。
ところが、経営においては皆平等ということでは意見の集約もできませんから、仲が良いときはいいですが、もめると収拾がつきません。
余談ですが、相続のときも男兄弟は揉める気がします。もちろん仲の良い兄弟もいますけれど…、親しい関係のほうが揉めると厄介です。
そう考えると、テレビに出ているタレントさんなどで家族で仕事してる人って人間ができてるんでしょうね…
考え方次第だが
家庭と仕事は別と割り切れる人であれば、仕事上は上司と部下だけれどプライベートでは兄と弟と、切り替えられるのでいいかもしれません。
しかし、一日中一緒にいる間柄で果たしてうまく切り替えられるのか?
兄弟ゆえに、嫉妬や甘えなどもあるでしょうから、余計にややこしい。
もちろん、兄弟で経営がうまくいっている会社もあります。ただ、代が変わればどうなるのか?
結局、核家族化し個人主義的な価値観が強まった現代では、兄弟とは仕事上は距離をおいた方が無難ではないかと思うわけです。