自分が死んだ後、誰にどの財産を与えるかを書き残すのが遺言ですが、子供のいない夫婦は遺言を書いたほうが良いです。
遺言がないと
遺言がない場合、財産は相続人と呼ばれる人たちが分けます。(これを分割協議と言います。)
夫婦に子供がいない場合、残された配偶者がすべての財産を取得するのではなく、一定の割合は配偶者以外の人が取得します。(もちろん、様々なケースが想定されますが、遺言がないとチョット血のつながりの遠い人と財産を分けることもあるということは念頭に置いておくべきでしょう。)
また、配偶者以外に…、たとえば甥とか姪とか、相続人にならないかもしれないけれど、生前にかわいがっていたり世話になっていたりした人に財産を残したい場合もあるでしょう。
しかしながら、遺言がないと(その人達が相続人でない限り)その人達に財産を与えることが出来ないわけです。
遺言は面倒くさいが、遺言がないともっと面倒くさい
遺言を書くのはいろいろと手続がややこしくてめんどくさそうだというのが率直なところです。
できるだけ残された人たちの負担を軽くすべく、配慮された遺言を作成するのは多少の手間はかかります。(そういった場合に、ウチのような遺言に詳しい税理士を使ってほしいんですが…スイマセン、宣伝臭くて)
ただ、遺言がない場合には、残された人たちは財産を分けるための話合いをしたり、そのためにいろいろと手間と時間を掛けなければなりません。
しかも、子供のいない夫婦だったりすると残された配偶者と、配偶者以外に財産を取得する可能性のある人は、他人です。(この場合の意味合いとしては、血のつながりのないくらいの意味で捉えてくださいね)
財産分けは実の親子や兄弟でも揉めることがあるのに、他人だと揉めるかもしれませんし、揉めなくても気疲れは半端ないです。
遺言は紳士(淑女)の嗜み
日本ではまだまだ遺言の普及率は高くありません。(統計そのものがないのではっきりしたことはいえませんが、1年間になくなった人のうち遺言を書いていたのは1割り程度と言われています。このあたりは、また別の記事で触れたいと思います。)
ところが紳士の国イギリスでは遺言の普及率が7割とか8割とか言われています。(調査によって数字は変動するでしょうけど)
文化や風習が違うので単純に比較は出来ませんが、残された者の負担を考えると、イギリスのほうが優しい気がします。
日本は、武士道の国ですから…、紳士より武士のほうが優しくてもいい気がしますけど。
「自分が死んだあとのことは知らない」よりも、武士らしく(女性の方ゴメンナサイ。女性の場合は大和撫子といえばよいのでしょうか)、「残された者のために万全の準備をして死ぬ」ほうがいい気がしますけど。