【譲渡所得】土地建物を買ったときの書類は残しておく

確定申告の時期になると、譲渡所得を計算する機会がありますが、資料の散逸などが多く、非効率なうえに不利に作用することもありますから、無くさないように管理をきちんとしましょう。

譲渡所得とは

譲渡(じょうと)とは「モノを売る」ことです。
モノを売ると、たいていは売ったときと買ったときの金額差があります。
この金額差をベースに課税しようというのが、譲渡所得です。

「売ったとき」と「買ったとき」の金額差は、主にはそのモノを保有していたことによる「値上り益」です。(100万円で買ったものが、200万円で売れれば、差額100万円は値上がり益ということです)
「売却」という持ち主が変わる目に見えて分かりやすいタイミングで、その値上り益を清算しようというのが(譲渡所得)課税の趣旨です。

単純にいえば、モノを買ったときよりも高く売ったら値上り益が出る(つまり儲けた)から、課税するよってことです。

譲渡所得はモノによって違う

譲渡所得は売るモノによって種類が異なります。
特に土地や建物などの不動産は、少し異なった(ややこしい)取扱いをします。

一般にはモノを売って利益を得ると、総合課税といって、他の所得と合算され、まとめて税が課されます。給与所得や不動産所得と合算されてしまうわけです。

ところが土地や建物などを売った場合は、金額が高額になりますから、給与所得や不動産所得とは合算せずに、それだけで課税されます。(分離課税)

また、所得税は一般には超過累進税率を採用しますが、分離課税のものは定率の税率が決められています。所有期間の長短で約20%(住民税含む)と約39%(住民税含む)です。

分離課税とはいっても、係る所得税等は大きくなりがちですし、前年の所得をベースに賦課される国民健康保険などの対象にもなります。

土地などは資料の散逸が多い

譲渡所得は売ったときと買ったときの金額差に着目して課税しますから、とりわけ「買ったときの金額」を証明する書類が重要です。

売ったときに課税する性格から、売ったときはつい最近の話なので書類をなくすことはまずあり得ないのですが、買ったときは相当程度に過去のため書類をなくしていることもあります。

無くしてしまうと売ったときと「買ったとき」の金額差は正確に捕捉できませんから
場合によっては不利になってしまうことが考えられます。

ですので、買ったときの資料は遠い将来のために厳重に保管しておくことが極めて重要です。