35歳から「一生、負けない」生き方、の書評です。好き嫌いは分かれる本かと思いますが、著者の気合いと根性は敬服に値すると思います。
同著者の「小さな会社儲けのルール」という有名な著書がありまして、そちらが面白かったので、購入しました。
内容的には、前著書と同じような内容なので少し残念な部分もあります。
ランチェスターの法則に従って、小さな会社(弱者)がとるべき戦略は、個別戦(一騎打ち戦略)をとる→一騎打ち戦略つまり自分の強いフィールドで戦う→自分の強いフィールを作り出す→地域(エリア等を限定して特定の分野)で一番を目指す→一番をとるには、凡人は時間戦略→時間戦略では時間は乗数効果が作用する→とにかく一定期間は時間戦略で一心不乱に働く→成功
というような内容ですかね。端的にいって。
あとは、そこに事例を交えながら凡人にとっての時間戦略の有用性をひたすらに説いてくれます。
この辺りは好みの分かれるところでしょう。
昨今は、ワークライフバランスをことさらに強調する世論に流れつつありますので、本書のように「サービス残業、ブラック起業上等!」という論調はあまり見かけません。「ゆとり」とは一線を画す内容でもあります。
古き良き昭和の香りがどことなく漂っている気もしますので、決して今風の仕事もプライベートもそこそこに…という人向けの本では無いかもしれません。
しかしながら、文章はとっても面白い。書いてることは単純なんですが、登場人物の必死さやひたむきさが伝わってくる読み応え十分の文章は、とても勇気づけられます。
ビジネス上の目標を達成したいなら、天才型以外の人間は時間戦略だ。つまり量稽古をこなさなければ人より上に行けない。ビジネス=競争なのだから、やったもん勝ち。文句言わずに、とにかくやれ…と。
楽して儲けようという内容ではありません。とにかく時間戦略で、大量の時間を投入し一心不乱で特定の分野で1番をとり、競争に勝ち抜いてビジネス上の成功を目指す…そのためにひたすら働け働け働け…という自分に怠けが出たときに喝を入れてくれる本です。
精神論だけではビジネスは成功しませんが、精神論・実行力が無いと成功はあり得ません。その、精神・実行力が弱ったときに手もとにおいておきたい本ですね。間違いなくオススメです。(ただし、張り切り過ぎてからだを壊さないように…同著の中でも少し触れていますが)