税理士に報酬を支払ったとき、「どんな仕訳になるの?」「源泉徴収はどう処理するの?」と悩んだことはありませんか?
支払手数料・預り金・仮払消費税など、複数の科目が絡むこの仕訳は、いわゆる「複合仕訳」。
特に経理初心者にとっては混乱しやすいポイントですが、実務上のパターンはそれほど多くありません。
この記事では、税理士報酬の仕訳処理と源泉徴収の納付方法を、具体例を交えてわかりやすく解説します。

税理士報酬の仕訳は複合仕訳になる
相手科目が複数ある仕訳のことを複合仕訳と言います。簿記を結構使いこなしている方でない限り、複合仕訳を理解するのはなかなか難しいものがあります。
税理士報酬の支払いは、「支払手数料」「預り金」など複数の相手科目があるので、単純な仕訳ではすみません。
経理実務上の複合仕訳は限られていますので、必要な複合仕訳だけ覚えておくようにすれば対応できます。
税込処理と税抜処理の違いと仕訳例
複合仕訳にはいくつかありますが、「税理士報酬を支払った場合」の仕訳を紹介しておきます。
(例)税理士報酬22,000円(税込)、源泉徴収税額が2,042円、差引の支払額が19,958円の場合、口座振替で支払っている
(税込経理の場合)
支払手数料 22,000円 / 普通預金 19,958円
/ 預り金 2,042円
(税抜経理の場合)
支払手数料 20,000円 / 普通預金 19,958円
仮払消費税等 2,000円 / 預り金 2,042円
勘定科目は「支払手数料」が原則、例外あり
税理士などへの報酬は「支払手数料」で処理するのが一般的ですが、別の科目(たとえば「報酬料」とか「税理士報酬」とか)を設定している場合にはそちらの科目をお使いください。
勘定科目は、金額的な重要性が大きくない限りは包摂的な科目を使うのがセオリーですし、税理士報酬がそこまで金額的に重要性を持つことは稀でしょうから、そう考えると管理面からも「支払手数料」が第一選択肢とはなるでしょう。
源泉徴収した「預り金」の納付期限と処理方法
「預り金」として源泉徴収した所得税は、翌月10日までに(納期の特例をとっている場合には7月10日or1月20日まで)納付しなければいけません。
人件費にかかる源泉所得税と同時に納付することになります。
源泉所得税は、税務調査でも、よく確認する項目ですからきちんと処理しておかないとリスクを抱えることになりますので。
よくあるミスと対策
・通帳の支払額ベースで入力してしまい、源泉所得税を考慮していない
(通帳データを取り込んだだけだとミスが生じやすい、かならず原始証憑を確認)
・源泉所得税の納付書への記載忘れ
まとめ
・複合仕訳であることを理解すること
・源泉所得税の処理と納付を忘れない
・パターンは限られるので、テンプレで処理すればOK