自宅兼事務所の家賃を全額、経費に出来る?

自宅兼事務所の家賃のように「プライベートな支出」なのか「経費」なのか区別が曖昧なものは経費に出来るのでしょうか?

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事業に関わる部分だけなら…

個人で事業を始めて日が浅い方から、よく聞かれることとして「自宅兼事務所の家賃」をどうするのか?というものがあります。

 

要するに、「自宅兼事務所の家賃」は経費になるのか?ならないのか?

 

個人で事業をやっていると、プライベートな支出なのか事業にかかわる支出(経費)なのか区別が曖昧なものが多くあります。

 

その代表的なものが、「自宅兼事務所の家賃」ということになります。

 

基本的には、プライベートな支出なのか事業に関わる支出なのか区別が曖昧なものについては経費とすることは出来ません。

 

しかし、それではあんまりだろうということで、プライベートな支出か事業に関わる支出かが曖昧なものについては、しっかりと区分した場合に限って「事業部分」だけを経費とすることが出来ます。

 

ですから、「自宅兼事務所の家賃」を全額、経費にすることは出来ないわけです。(よく知らない人が、「自宅兼事務所の家賃を全額経費に入れれば税金が助かる」みたいな突拍子もないアドバイス(?)などをしてたりしますが、間違いですね。正確には、自宅兼事務所の家賃のうち事業に関わる部分だけを経費とすることが可能ということです)

家事関連費

では、どのようにプライベートか事業かを区別するのか?といった問題が生じますが、合理的な基準で分けていれば問題にならないようです。

 

「自宅兼事務所の家賃」であれば、面積の比率などで分けるのが合理的といえるでしょう。(もちろん、面積の比率以外に合理的な基準があれば、そちらを使って差し支えありません)

 

経理上の入力は?

 このようにプライベートなのか事業なのかが曖昧な支出のことを「家事関連費」といいますが、会計ソフトで入力するときはどのようにすれば良いのでしょうか?

 

いくつかの方法が考えられますが、大きく分けて2つの方法が有力です。

 

1つは、入力時にプライベートな部分と事業に関わる部分とに分けて入力する方法です。手間がかかりますが、事業に関わる損益(得しているのか損しているのか→つまり儲け)は正確に求めることが出来ます。

 

(例)家賃100,000円で、プライベートな部分が50,000円、事業部分が50,000円のとき

 事業主貸(プライベート)50,000 / 普通預金 100,000

 地代家賃(事業部分)  50,000

 このように入力します。

 ※会計ソフトによっては、事業割合などを設定することによって自動的にプライベートと事業を振当ててくれる機能のものもあります。

 

もう一つは、入力時は全額経費にしておいて、決算の際にプライベートな部分を否認する方法です。入力時は手軽ですが、期中は正確な損益を把握することが出来ません。

(例)家賃100,000円で、プライベートな部分が50,000円、事業部分が50,000円のとき

 地代家賃 100,000 / 普通預金 100,000

 →決算時に(まとめて処理します)

 事業主貸 50,000 / 普通預金 50,000

 

(参考)個人事業ではプライベートな支出は分けるので…