登記を放置するデメリットは?

不動産を相続すると、名義を変更しなければなりません。一般的には「相続登記」と呼ばれる手続きで、税理士ではなく司法書士に頼む仕事ですが、放置しても罰則は特にありません。ただ、デメリットはありますのでやるべきでしょう。

相続税の申告は期限が定められていますので、放置することは出来ません。放置すれば、罰金がかかるうえに、税金を計算する上で有利な規定(税額を減らすもの)を使えなくなったりとデメリットが大きすぎます。

 

一方、相続で取得した不動産を名義変更する手続きを「相続登記」といいますが、こちらは放置しても特に罰則はありません。

 

ただ、デメリットはいくつかあります。

まず、相続した不動産を売却したり、貸し付けたり、担保としてお金を借入れたり(抵当権を設定)といったことが出来ません。

 

また、相続登記を放置したまま長い年月が過ぎると、登記に関わる当事者が亡くなったりして登記する手続きが煩雑になります。(当事者が物わかりのいい人ばかりとは限りませんので)費用や時間、手間がかかるのでなるべく早く登記しておいた方が無難です。

 

いずれにしろ、登記が完了してはじめて法的に自分のモノとして他者に対抗出来るわけですから、サッサとやっておいて悪いことはありません。

 

通常、相続登記を行うのは司法書士ですので、税理士の管轄する分野ではないのですが、相続税申告などを税理士に依頼すると相続登記について司法書士を紹介してくれます。

 

ちなみに、葬式費用などは債務控除といって相続税を計算する上で財産額から差引くことが出来るのですが、相続登記に関わる司法書士の報酬は債務控除の対象ではありません。

 

相続で取得した土地を売却することもあります。売却する際には…

売却代金 − (取得費 + 譲渡費用) = 譲渡所得

として譲渡所得を計算し、これに対して所得税が課税されます。

 

その際に、登記費用などは取得費に含めてもよいことになっていますので、登記費用などを記した書類などは無くさないようにしておきましょう。