親が高齢になり、一人暮らしが心配なので同居するとかいった場合には所得税の計算上、親を「扶養親族」に入れることが出来ます。
親を扶養親族に入れると
扶養控除という制度を受けることが出来ます。控除額は親の年齢によって代わりますが、70歳未満で38万円、70歳以上で同居の場合には58万円、70歳以上で別居の場合は48万円となっています。
これらは税金がかかる前の段階で控除されますので、例えば、税率が10%の人であれば58万円控除だと58,000円ほど税金が安くなるということになります。
扶養に入れるための条件は
①生計を一にしていること
生計を一にしているとは、ざっくりいえば財布が一緒ってことです。同居していれば基本的に生計は一ですが、別居の場合も生計を一にしていると認められる場合があります。例えば、親に仕送りなどをしていて実質的に生活の面倒を見ているような場合です。(生活費などを送金している証拠などを求められることもあるので振込証や書留の写しなどを保存しておくようにしましょう)
②親の合計所得金額が38万円以下であること
合計所得金額の意味は少し難しいのですが、例えば、給料のみの収入の場合には103万円以下の収入の時に合計所得金額が38万円以下となります。また、年金生活者であれば年金の収入金額から年金の控除額を差引いた後の金額が38万円以下であればオッケーです。
(参考)No.1600 公的年金等の課税関係|所得税|国税庁
年金の計算ですが、遺族年金は所得税が非課税なので、合計所得金額の計算などの上では考慮に入れません。
(参考)No.1605 遺族の方に支給される公的年金等|所得税|国税庁
③青色事業専従者でないこと
所得税を申告される方が事業を行っているような場合に、親に給料を払っていたらダメってことになります。
兄弟で扶養しているような場合
兄弟で扶養しているような場合でも、扶養控除の適用を受けられるのは一人だけです。たとえ、兄弟が均等に送金しているような場合であっても兄弟それぞれが重複して適用を受けることは出来ません。
年の中途で死亡した夫の控除対象配偶者とされた妻の扶養控除
年の中途で夫が死亡し、年末の段階で子供と同居しているような場合には、その配偶者は夫の準確定申告では配偶者控除の対象とし、子供の確定申告を計算する上では扶養控除の対象とすることが出来ます。