税務調査:「うちはとられるものが無いから」は間違い

比較的小規模な会社で税務調査を経験したことがないところですと、「うちは取られるものがないから大丈夫」って言われるのですが、どうなんでしょうね?

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悪いことしてなくても調査は来ます

法人税や消費税は自分自身で帳簿をつけて利益などを計算して、税金を計算して納付をします。

 

人間ですから、意図していなくても間違うことはありますよね。要は自分の成績表を自分で作ってるようなものなのだから、誰かがチェックするわけですが、そのチェックが税務調査と呼ばれるものです。

 

税務調査というと…悪いことしてると税務署のこわーい人が来て税金や罰金を持ってくみたいなイメージ(マルサの女?)ですけど、ああゆうのはごく一部のケースで悪いことしてなくても税務署の方が様子を見に来たしします。

 

現況を見に来るってやつですね。

 

取られるものがないから大丈夫?

だから調査の対策として日頃から正しい経理処理や決算申告が求められるのですが、比較的小さな企業などで税務調査を受けたことがない人たちは「うちは取られるものがないから大丈夫」なんて言ってたりします。

 

まぁ、税務署も「殆ど利益が出てなくて潰れそう」って会社はなかなか調査に入らないようですが(例外はあります)、「何も取るものがない」ってのは間違いですね。

 

仮に赤字であっても、会計処理などの間違いがあれば赤字を減らされたり(赤字は翌年以降の黒字と通算できるので、赤字が減れば結果的に翌年以降の税金が増えることも)、印紙の間違いなどで罰金取られたり、源泉所得税の処理が間違いを指摘されたりetc

 

素人から見れば取るものがなくても、税務署の方から見ればやりたい放題できる(ちょっと言葉は悪いですが)という会社もあるわけで。

 

消費税なんかは、多くの事業者が勘違いしていたりミスが出ていたりしやすいので取りやすいですよね。そもそも消費税はお客さんから預かっているだけなので、支払えないって状況はおかしいはずなのですが、ドンブリの会社などではそういうわけにも行かず。

 

素人目で「取られるものがないから大丈夫」と思っていても、プロから見ればそうでないという状況は往々にしてあると。

 

必要以上に恐れる必要はない、が…

税務調査などを必要以上に恐れる必要はありませんが、プロから見れば杜撰な経理の会社はあります。

 

税務調査のためだけに経理処理をしっかりと構築するというのはおかしな話ですが、少なくとも調査に耐えられるような経理フローをしっかりと構築しておく。体裁を整えておくってのは結構重要だったりします。

 

無駄な税金を払いたくないって人は殆どなのでしょうが、税務調査を睨んでしっかりとした経理フロー構築に金をかけようって人はそうでもない。経理フローがしっかりしていないと、結局たくさんの税金を直接的・間接的を問わず持ってかれることになります。

 

慌てず騒がず、されど万全の準備だけはしておきたいですね。「とられるものがない」ってのは単なる勘違いってことのほうが多いですから。