遺言書の保管はどこがいいのでしょうか?
遺言書の種類には①公正証書遺言②自筆証書遺言③秘密証書遺言の3つがありますが、①公正証書遺言以外の場合には遺言書の保管が問題になります。(公正証書遺言は公証役場に原本が保管されますので、保管が問題になることはありません)
・自宅の金庫や引き出し、タンス
自宅の中に保管しておけばいつでも遺言書を確認できて便利なのですが、紛失や滅失の恐れもあり、死後に隠蔽や改竄されるリスクも高まります。揉め事をなくそうと思って遺言を残すのに、隠蔽や改竄されるとせっかくの遺言が全く意味がなくなってしまいます。見つけやすいというのはメリットである反面デメリットでもあります。
・貸金庫
銀行などの貸金庫はどうでしょう?紛失や滅失のリスクは限りなく低いです。
ただ、先の東日本大震災以降とくに貸金庫の需要が増大しています。重要書類だけでなく貴金属とか思い出の品とかを貸金庫に保管する人も多いのだとか。銀行の支店によっては新規の貸金庫の申込を断っているところもあるそうですので、利用のハードルが高いのが問題です。
・司法書士や税理士などに預かってもらう
信頼できる第三者に預かってもらうのも有効です。相続手続きに関わる専門家であればキッチリと保管してくれるでしょう。
問題は、死亡時の連絡方法を確立しておく必要があります。死亡時に遺言書が必要となっても、専門家のもとに連絡がいかなければ遺言書の存在が家族にはわからないこともあります。
遺言書をどこに保管するのかという問題は、メリットとデメリットがそれぞれにあります。遺言本来の趣旨から考えて、確実に遺言を残すのであれば公正証書遺言の作成を検討するほうが良いでしょう。