「税理士業は仕入がなくていいですね」と言うけれど

税理士業のメリットは仕入がないことなんて言いますが、額面通りには受け取れません。

仕入がない業態

商売を行う際には運転資金すなわち、事業を維持していくために常に発生する一定のお金のことですが、これが必要になります。

事業を維持するためのお金は色々とありますが、そのうちの大きなものが仕入代金です。

仕入れた商品がすぐに売れればいいですが、すぐに売れないと在庫として残ってしまい、お金が「寝ている」状態になります。

ですから、税理士業を始めとする士業あるいはコンサル業などは仕入がありませんので、仕入がない業態はそれだけ資金繰り的に有利といえます。

 

目に見えない物を売る

仕入がない業態は資金繰り的には有利なのですが、仕入がないということは知識や才能、技術、などを売っていることになります。

知識や才能、技術、などは目に見えませんから、目に見えるものよりも売るのは格段に難しいです。

さらに値段の付け方も難しい。

結局のところ、目に見えない物を売るということになりますと、売り方や見せ方をより一層工夫しなければなりません。 

知識や技術のアップデートも必要

税理士業で言えば、仕入は税務関係を中心とした専門知識や、決算書など高度な知識を要する書類作成のスキルを身につけるということです。

税法は毎年改正がありますし、税務会計に関わるIT技術やサービスは日々進歩してますから、常に追いかけっこのように新しい知識やスキルにキャッチアップしなければなりません。

意外と時間とお金がかかります。

税理士業は仕入がなくていいねー、なんて言われますが

仕入がないものは売り方が極めて難しいし、実際に知識やスキルのアップデートすなわち仕入を怠れないので、隣の芝生は青く見えるという典型例かもしれませんね。