会社が潰れる理由は複雑に見えますが、決算書を見ると予兆が出ていることが多いです。
内訳書の売掛金が、一社で30%も占めているような状況を見かけると、実務家の目からは嫌な予感がします。
この記事では、すぐに見つけられる「予兆(サイン)」を紹介します。

中小企業の分析はシンプルでも良い
個別性の強い中小企業では、財務分析は機能しづらいときもあります。
そのため、シンプルな分析でも十分なケースも多く、決算書や内訳書といった書類を眺めるだけでもリスク評価が可能です。
まずは、決算書や内訳書から「偏り」を見る、のが手軽でおすすめです。
売掛金で代替分析
本来は売上の偏りを分析すべきですが、決算書から(得意先ごとの売上比率は)直接は読み取れないため、内訳書の売掛金で代替します。
売掛金の明細は「期末時点」での構成ですから、大きく偏っていれば、日常的にも偏っている可能性が高いためです。
特定の得意先に偏っていると、「リスク」が高いです。
経理の精度の問題も
内訳書における売掛金の件数が極端に少ない場合、特定の得意先に偏っているのか
それとも、経理が雑なため記載できていない可能性もあります。
この場合は、売上の偏りとはまた別で大きなリスクです。
売上が偏ると何が起きるのか?
すべての得意先に対する売上を100%としたとき、一つの得意先に対する売上が「20%」を超えると偏り過ぎといわれます。
デメリットはとして、
その得意先が倒産すると入金が滞り、そのお金で払おうと予定していた支払いができなくなり、自社も倒産する「連鎖倒産」が挙げられます。
資金繰り対策:倒産防止共済の活用
連鎖倒産を防ぐという意味では、倒産防止共済も有効です。
倒産防止共済は、得意先が倒産した際に連鎖倒産を防ぐための共済です。掛け金を支払うと、いままで掛けてきた掛け金のうち一定倍の金額を貸し付けてくれます。
交渉力の喪失と「言いなり取引」の危険性
特定の得意先に売上が偏ってしまうと、その会社の言いなりにならざるを得なくなります。
力関係が一方的になれば、売上の大きさをいいことに低い利幅の取引をさせられたり、納期などで負担をかけられたり、入金のタイミングを一方的に変えられたり…ということも起こり得ます。
売上を分散する方法とリスク管理の実務
一つの得意先に対する売上の比率は全体の20%程度までとして、20%を超える得意先についての比率を引き下げるには
・他の得意先の売上を上げる
・その得意先の売上を減らす
と考えられますが、ケース・バイ・ケースなので状況に応じて対処したほうが良いでしょう。
時間がかかるゆえに、徐々にでも是正できるように取り組みを始める「サイン」が「偏り」です。


