会社を始める前の計画には社会保険と消費税を考慮に入れて

経営者の悩みのタネが「社会保険料」と「消費税」です。これらは、会社が赤字であっても負担しなければならないので仕組みをしっかりと知っておく必要があります。

A0001 011518

社会保険料

病院にかかる際に医療費負担を抑える「健康保険」と、老後の生活資金としての「厚生年金」。健康保険と厚生年金を合わせて「社会保険」とよび、社会保険料は従業員と会社で折半して負担します。

人を雇うと原則としてこれらに加入しなければいけません。

給料とは別に、社会保険料も払う。

しかも、会社が赤字であろうと払わなければいけません。

従業員の給料から天引した社会保険料の半分と、会社が負担する社会保険料の半分をあわせて、月末に支払います。

したがって、人を雇うと給料とは別に社会保険料を毎月末に支払うことになります。

消費税

買い物などをするとついてくる8%の税金です。

消費税は、消費者が負担すべきものを、会社が代わりに預かって支払います。

ただし、会社も買い物などで消費税を支払っているので、会社が支払った消費税は差し引かれます。

つまり、300万円のものを売って消費税を24万預かり、同じく200万円のものを買って消費税を16万円ほど支払った場合、預かった24万円と仮払いした16万円の差額8万円を支払うわけです。

消費税は、会社が負担しているのでなく預かったものを納めるだけ…という理屈なので、会社が赤字であろうと支払わなければなりません。

経理がしっかり機能していないと、預かった消費税を使い込んでしまい支払えないということも起こり得るので、気をつけないといけません。

赤字でも払う

会社が負担するものに法人税がありますが、これは利益(黒字)に対してかかるので、会社が赤字であれば負担する必要はありません。(厳密には少しだけ払わないといけませんが)

それに対して、社会保険料や消費税は赤字であろうと払わなければいけません。

社会保険料は毎月、消費税は多くの事業者で年2回(納税額により支払回数は変わります)。

赤字で苦しんでいる会社にとっては負担は相当なものです。

会社を始める前に、経営計画や資金繰りを考えるかと思いますが、社会保険や消費税が抜け落ちていることが多いです。

赤字でも払うのは想像を絶する厳しさです。

人を雇うのか、人件費の一部は外注化出来ないかといったことももちろん考えないといけませんし、

人を雇うにしても社会保険料を考慮に入れて支払える給料なのか、と考えることは多くあります。

これから商売を始める場合チャンスも

個人的には、これから商売を始めるならなるべく少人数で行えるビジネスモデルが良いのではないかと。

日本の人口はこれから減少していくわけで、そうすると賃金が上がる。

最低賃金とか見てると、僕らが学生だった頃と隔世の感がありすぎるくらい高くなってます。

給料も高い、社会保険料も高いとなると、なるべく人を減らして、

社長1人でやるのもいいでしょうし、社長プラス他数名というのも現実的だと思われます。幾つかの業務は外注化すれば社会保険料もかかりませんし。(外注化はデメリットもあるので慎重に検討しなければなりませんが)

消費税に関しては、経理をキッチリする他ありません。本来預かっているものなので、支払原資がないということはおかしなこと(使い込んでいる)です。

ただ、消費税を意識しないで値付けをしている例は多く見られるので、消費税を考慮した価格設定(値付け)は一考の余地があると思います。

これからビジネスを始める方は、社会保険と消費税。これをうまく捌けるかが苦しんで苦しんで苦しみ倒すかどうかの分かれ目です。