税理士的な観点から言うと、(経理)資料を「なくす」会社はダメな会社です。
取引には根拠資料がある
取引はお金が動き、それをしめす証拠があるはずです。預金通帳であったり、領収書や請求書がそれです。
本人がなんと主張しようとも、取引があったかどうかは、「証拠」がなければ、本人の説明だけではわかりません。
しかし、第三者あるいは取引の相手側が発行した書類(証拠)があれば、客観的に取引があったことを証明できます。
根拠資料は保存が義務
取引データのもとになった資料を原始証憑といいます。取引データを記したデータ類や原始証憑は、帳簿書類と呼ばれ法律で保存が義務付けられています。
なくしてしまうとペナルティを食らうこともありますし、税金を計算するうえで不利な取扱をされることもあります。
わかりやすい例だと、領収書をなくしてしまい客観的に証明が難しい支出は、経費と認められないこともある、ということです。
資料をなくすとペナルティも
資料をなくすと、税金の計算で不利になったり、税務調査でペナルティを食らったりと良いことは何もありません。
正確に税金を計算することが、もっとも節税につながり、いい加減な資料の保管で、結果として税金や罰金を払うのはムダ以外の何ものでもありません。
利益を追求し、関係者に分配するのが会社の使命ですから、そんなムダなことをしてる会社は「ダメな会社」と言い切って差し支えないでしょう。
再交付できるものも
領収書や通帳のデータ、クレジットカードの明細などは再交付可能な場合もあります。
税務調査時などに再交付を要求することもありますので。
そういった書類を無くしたままの会社は問題外ですが、なくすことか日常茶飯事で、何度も再交付しているような会社が取引先だったりすると、
そこの会社の与信(取引の上限金額)などはもっと厳しく見てもいいと思うのですが。
重要な書類が出てこない
上記に関連して、重要な書類が何処かに行ってしまって、すぐに出てこない。
「定款確認させてください」
「あれー、どこいったかなぁ?」
みたいな会社は、結構ありますが、いつまでも出てこないとなると、資料の管理が杜撰といえます。
会社が急拡大したりとか、代替わりしたとかで仕方のないこともあるので、断言はできませんが、特段の事由がなく、資料がどこにあるかわからないとかだと…。
大事なものを大事に扱わない
上記でも触れたように、つまるところは「大事なものを大事に扱わない」会社はだめな会社ということでしょう。
お金は誰がどう考えても大事だとわかりますが、それ以外の「もの」や或るいは「人」など、大事かどうかわからないのか…