いい加減な会社はクレジットカードは持つな

クレジットカードは便利な反面、デメリットもあります。経理関係の書籍では見解の分かれるクレジットカードですが、めんどくさがりな(いい加減な)経営者は法人のクレジットカードは持つべきではありません。

クレジットカードは便利だが

クレジットカードは、大きな現金を持ち歩く必要もなく、うまく使えばとても便利なツールです。

・決済が早い

現金決済よりも、紙幣や貨幣のやり取りがなく、お釣りがでないため、決済が早いというのが大きなメリットです。
ビジネスはタイムイズマネーですから、早いというのは大きなメリットといえるでしょう。

・キャッシュレス

昔から言われることですが、キャッシュレスですから、小口経費の精算の手間がありません。(あっても極めて小さい)
小口経費をきちんと管理しようとすると、大変な労力と手間を要しますから、合理的であります。

・買い物の記録が残る

一月ごとにクレジットカードの利用明細がカード会社から送られてきますから、支出の記録がキチンと残ります。
経理的には、「お金が出ていったけど、なんだったっけ?」が困りますから、記録が有ればある程度の推察はできます。

デメリットも大きい

ただし、デメリットも大きく「マネーリテラシー」が相当程度に成熟した人でないとデメリットの方が大きいです。

・お金を払う感覚がない

クレジットカードはお金を払う感覚がありません。
これは怖いことで、お金を払う感覚がないと、経費としての妥当性などを考慮しないまま支出をすることにも繋がります。
現金の『重さ』を実感せずに、支出をすることは『経営者』としては、あってはならないことです。

・使ったときと払うときのタイムラグで資金繰りがおかしくなる=短期的な借金

クレジットカードは利用したときと、支払いの時期にズレがあります。
このズレが曲者で、短期的な借金をしているわけで、マネーリテラシーが成熟していれば問題ないのですが、そうでないと資金繰りに支障をきたします。
経営では資金繰りと利益を常に追いかけなければなりませんが、クレジットカードの利用が多くなるとこれらがうまく頭の中で整合させづらくなります。

こんな人は持つべきではない

繰り返しますが、クレジットカードはマネーリテラシーが成熟している人が使えば、非常に優れたツールです。
しかし、そうでない人が使うと破滅への片道切符ですから、よく勉強して考えてから使うべきです。

・細かいルールが嫌い

経理的にしっかりした会社では、クレジットカードの利用にルールや制限を設けています。
当然といえば当然で、会社で何か大きな支出をするとなれば上司の許可が必要だったりするはずです。

それが社長だけ何のルールもなしにクレジットカードを無軌道に使っていればろくなことにならない。よって、細かなルールが守れない人はクレジットカードを持つべきではありません。

・丼勘定

経理的な能力が低いと自覚のある社長は、クレジットカードを持ってはいけません。
先にも述べたとおり、経営者は利益と資金繰りを追いかけなければなりませんが、クレジットカードはそれらのズレを更に分かりにくくします。
能力が低いのに、問題を更に複雑にすれば、辿り着くのは不正解です。

・公私混同

公私混同が激しい社長などはクレジットカードを持つべきではありません。
クレジットカードはお金を使ってる感覚を持たせないことを意図したツールですから、公私混同が激しい人は、私的流用をしてしまいます。
本来、経費として支出するには何段かのハードルがあるにもかかわらず、クレジットカードはそのハードルを大きく下げるわけですから。