会計データの作成は「木」のようなもの

会計初心者が会計データを作るときに意識したいのは、データ作成は「木」のようなものと考えることです。

まず幹から、そして枝葉へ

「木」がどのように成り立っているかというと、まず「幹」があって、その幹から派生する形で幾つかの「枝葉」が出ています。

会計データの作成も同じように考えればイメージしやすく、作りやすいですね。

幹とはもっとも中心になるもの、会計データにおいてもっとも中心になるのは、当然のことながら「預金」です。取引の足跡が最も明確に残っているのが、預金だからです。

預金通帳の動きをデータ入力することで「幹」を作り、そこから派生する形で、「枝葉」のデータ、例えば給料とか掛け代金の計上とか、をつけていきます。

まずは幹を作る

粘土細工でいえば針金の芯のような中心になるものからデータを作っていきます。

一般的に、会社として取引は全て預金を介するようにするのが基本です。

預金を介さない取引、つまり現金取引ばかりの会社は、総じて経理的にいい加減です。芯のない粘土細工が形を保ちずらいのと同じです。

幹は下から上に伸びていますから、預金のデータも流れ通り時系列にしたがって作成します。(またお金の流れも意識できると、経理担当者としてはレベルが高いと思われます。)

そうすることで、会社の取引の流れを追いかけることが容易になり、取引の入力漏れを防ぐことができますし、取引の予想がつきやすく精度が上がります。

次に枝葉をつける

キチンとした会社では、取引のほとんどを預金を介するようにしていますから、預金の動きをデータとして捉えれば、データとしては7割方は完成したも同然です。

その上で、「預金を介さない取引」を捉えていきます。

これは会社によって違うので、その会社に応じたやり方を考えなければなりませんが、一般的には請求書などから売上や仕入(の掛け代金)を捕まえます。

その後、給料などの複合仕訳を介する処理を修正していけば、データとして完成です。

給料を例にすると、支払額合計などは通帳に現れているはずですから、後は給料明細などを確認して、総額に修正しつつ、源泉所得税などの預り金を付け加える。

逆だとデータとして作成しずらいですから、幹から枝葉の順で作成するわけです。

最後に剪定する

会計データは(建前としては)他人に見せるものですから、データを入力しておしまいでは片手落ち(不完全)です。

最後に見直して、枝振りが悪かったり腐った枝が有れば適切に処置して、整えてやります。

具体的には、総勘定元帳などからデータを見直し、過去の取引に比して異常なものがないかチェックします。消費税の区分や摘要などもここで再度チェックすることで、精度の高いデータとなります。

また、最後に修正することを見越して、幹や枝葉を作っているときには、少々の不明事項は保留しておいて先に進むのも大事です。

細かな部分は、時間が経たないとわからないこともありますので。

細かな部分にこだわって、全体の輪郭が見えない人もいますが、作業の趣旨を考えれば些末にこだわりすぎるのは無意味とわかるでしょう。