総勘定元帳は、経理担当者だけが使う資料だと思っていませんか?
実は経営者にとっても、会社のお金の動きや経営の実態を読み解くためのヒントが詰まった重要な帳簿です。
本記事では、総勘定元帳から何が読み取れるのか、どの科目を重点的に見るべきか、具体例を交えてわかりやすく解説します。

総勘定元帳とは
総勘定元帳は一定期間の取引データを分解し、勘定科目ごとに集計し直したものです。
たとえば、「旅費交通費」という科目があれば、電車代・タクシー代・高速代・飛行機代…それに該当する取引だけが集計されています。
いわば、日々の取引を「同じ取引ごと」に横串を突き刺して取り出したようなものです。
傾向が見える帳簿
勘定科目ごとにまとめた、つまり「同じ(性質の)取引ごと」にまとめたものですから、データの「傾向」が読みやすくなっています。
簿記の知識がある人間で有れば、その傾向がキッチリと掴めるでしょう。
例えば、交際費だけをひたすら見ていれば、「〇〇という店によく支出してるなあー」とかそういったことが見えます。
簿記の知識がある人は「連動性」を読み取れる
簿記の知識がある人は、勘定科目の連携がわかっているはずです。
勘定科目がどのように連携しているのかがわかっていれば、総勘定元帳から取引をイメージすることが用意になります。
総勘定元帳を読める人は、意外と少ないですから、読めるようになれば会社の経理の実態がつかみやすくなります。それが仮説や分析というところまで、手を広げることができる第一歩でしょう。
総勘定元帳の経営活用法
無駄な経費の見つけ方
プロ目線では、「無駄な経費」は「交際費」「消耗品費」「諸会費」「支払手数料」「雑費」あたりに紛れていることが多いです。(これらは性質がやや曖昧で、分類が甘くなりがちな科目だからです)
元帳でそれらの内容を一つづつ見ていくと、これは要らない経費・お付き合いで続いているだけの惰性の経費が見つかることが多いです。
「毎月同じ相手に同額払っているだけ」(惰性のコスト?)
「単発だけれど高額」(本当に必要だった?意思決定の検証)
「用途が説明できない支出」(見直しの対象)
よくみると、なくても困らない支出が見つかるものです。総勘定元帳は、決算書までの履歴が見える帳簿です。
決算書の違和感を探る
決算書を見ていると、なぜこの科目が増えたのか?(or減ったのか?)という疑問が湧いてきます。
・旅費交通費が感覚よりも多い
・通信費が前年より急増している
・外注費が膨らみ続けている
元帳を通じて、それらを確認してみると原因に行き当たることが多く、改善のヒントが隠れています。
・従業員の交通費が増えている
・特定の外注先への依存が高まっている
・サブスクなど考えなしに加入している
例えば、旅費交通費が社長の感覚よりも多く、確認してみると従業員やバイトの交通費が高くなりすぎている。→最適なルートを考えたり、別の(交通費の安い)バイトに置き換えてみる、など対策が考えられます。
コインパーキングが多いので、月極を借りたほうが安いのでは?みたいな仮説の検証にもなります。
必要なデータを割り出す
総勘定元帳を見ても、経営にとって「ほしい」データの詳細がないケースがあります。
これは設計の問題なので、経理担当者や税理士などと相談のうえ、データ入力に際してほしい項目を盛り込むようにするのも有効です。
・売上は商品別に
・外注費は業務内容別に
・交際費は相手先別に
と入力時点で分析できるように設計しておく。これだけで、総勘定元帳は「単なる過去の記録」から「未来の意志決定資料」に昇格します。
まとめ
総勘定元帳を本気で活用できている会社は多くありません。
しかし、経営のヒントは外に探しに行くよりも、自社の数字の中に埋もれていることのほうが多いものです。
総勘定元帳のなかには、課題と改善策の「ヒント」が眠っています。


