経営一流、人格三流

経営は一流でも、人格は三流という会社はよくあり、税理士事務所もそうです。

経営手腕の人格は別

経営手腕と人格・人柄は全く別です。
素晴らしい作品をたくさん残している作家や芸術家などでも、私生活が作品と同じように清廉潔白かというとそうでもない人もいるようにです。
会社の業績や商品・サービスが素晴らしくても、社長の人格がそれに比例しているということはないということです。

とはいえ中小零細企業では

経営手腕と社長の人格は別とはいえ、中小零細企業では、良くも悪くも、「社長の考え方=社風」になっています。
そして、そういった会社は残念ながら、社長の周囲はイエスマンばかりですから、社長は裸の王様になって、どんどん悪くなっていきます。
経営においては独裁は決して悪いことばかりでなく、強烈なリーダーシップや機動性のある経営となりますが、裏目に出ると独善的で朝令暮改を繰り返すような会社ともいえます。

従業員の悲劇

「サラリーマンの悲劇は、無能な上司に仕えること」といった格言がありますが、仕事ができても人格が最悪な社長に仕えたい人は少ないでしょう。
また、「組織はリーダーの力量以上に伸びない」ともいいます。もちろん経営が一流であれば経営という観点からは問題なくとも、人格が三流だと、コンプラとかそういった観点からは絶対伸びません。

人格が三流な社長の例

・気分で働く

したい仕事だけして、嫌な仕事は部下に丸投げします。そのくせ、部下が手間取ると罵倒したり、嫌味をネチネチと。
人格が三流な社長は気分の浮き沈みが激しく、機嫌の悪い時は子供よりタチが悪いので関わるのがめんどくさいです。

・口がうまい

お客さんと社内の人間に対する態度が露骨に違い、お客さんに対しては口がうまい。
実態(実力)が伴ってればいいのですが、口だけなので、フォローする周りは大変です。

・自分が一番

経営者は多かれ少なかれ、俺が俺がという面がないとやっていけないですが、それがすぎると自己顕示欲の塊みたいになって醜悪です。
成功は自分の手柄、失敗は部下の責任。

・お金にあまりにも汚い

従業員に、「給料やってるんだから、それ以上に働け」というノリです。
言わなきゃ尊敬されるのに、言いすぎて恩着せがましさが溢れ出ている。
人格が、お金への汚さに投影されている。

・公私混同が過ぎる

公私混同は決していいことではない、というのは世の常識ですが、人格が三流だと平気で公私混同します。
社員は、仕事上の関係であって、召使いとか使用人ではありません。

世の中はうまくいかないもので

天網恢恢疎にして漏らさずといいますが、こういった人たちは野放しです。
経営に関してはそれなりに手腕があり、他社(他者)の事情を慮ることはせず、むしろつけ込むような人種もいますので。
なので、真正面から渡り合うのは得策ではありません。
取引先や従業員であれば、即座に関係を断つのは難しい場合も多いでしょうが、誠意をもって対応しても、何もいいことはありませんから、うまくタイミングを見計らって離れるべきでしょう。