物事を習得しようと思ったら、自分で1からやってみることです。
他人の文脈は話しづらい
たとえば物事を説明しようとするときに、自分で資料を作るのとどこかにある資料をパクってくるのとでは説明のしやすさが違います。
第一に、自分で資料を作ると本質までしっかりと考えてまとめなければなりません。
一方、どこかにある資料をパクってくる…あるいはそこまで悪く言わなくても既存の資料を流用すると、とても説明しづらいという経験は誰にでもあるでしょう。
既存の資料は誰か別の人が作ったもので、それに乗っかって説明をしようとする…言い換えれば、他人の文脈で話をするのは難しいということです。
一見すると、それっぽく聞こえたりするのですが、他人の文脈なので説明が中途半端だったり、完全には理解できてなかったり。(他人の文脈を完全に理解した上で、自分の主張を乗せるのであれば良いのですが、ハードルが高いので、そうであれば自分で資料を作り、自分の文脈で主張したり説明したほうが楽だし伝わります)
税金の申告書を手書き
卑近な例ですが、申告書(の下書き)を手書きで作っていたことがあります。
税金の申告書作成には専用のソフトを使うと、自動的に数字のつじつまを合わせてくれて便利なため、知識が薄くてもそれなりの経験があれば、申告書が作成できるというすぐれものです。
困った面もあって、知識が薄くても申告書ができてしまうので、まれにミスしたりということもあります。
そういったミスを減らすために複数人でチェックしたりするのですが、チェックする人も同レベルだとどうにもなりません。
で、冒頭の話。申告書を手書きで作成すると、数字の辻褄を自分で合わせなければならず、申告書の理解が非常に深まります。一見、手書きというのは無駄が多そうなのですが(時間もかかりますし)、システムを理解するには自分で考えて作成するというのはとても有効だと感じました。
申告書を手書きで作る最大のメリットは、申告書の構造を覚えます。嫌でも覚えますよね。「ここの数字が、こっちに飛んでとか前年のこの数字がここにはいってとか、これとこれを比べて大きい数字が…」といった具合に、覚えないと作成できませんから。必然的に、規定の内容もしっかり理解できます。(修正が入ったりするとこことここが連動して…芋づる式に直したりで、大変ですが力は付きます)
まぁ、私のアイデアでなく勤務していた事務所の所長先生の教えでもあったのですが。(そうかんがえると感謝ですね)
自分で作るメリット
個人的な感想として、申告書の作成に慣れていないキャリアの浅いうちはとても勉強になるので、手書きで作成するのもいいと思います。
自分で考えて、咀嚼し消化しないと自分のモノになりませんので。(ただ、最初の数回だけで十分かとは思いますが…。一通りの流れが分かっている人は、ソフトを使って作成したほうがいいでしょう。それよりも、労力を割くべきところは他にありますし)
手書きに限らず、書類作成の多くはシステム化されて、ソフト等に入力をすれば数字が出てきます。誰かが作ったExcelシート等を特に考えもせず、コピペして数字を変えてとやっていると、それっぽいものは出来ます。
ただ、根っこのところの仕組みをしっかり理解していないと、応用も利きませんし、使いこなせてるとはいえません。他人の文脈になんとなく乗っているだけ。(他人の文脈なのでアクシデントがあっても対応できないし、もっと悲惨なのはそれに気づけないという…)
自分で実践してみるというのは、物事を理解する上で何にも優るものです。
手書きで申告書を作成するというのは少々極端ですが、どんなものでも自前で作ってみる・実践してみるというのは大事なのではないでしょうか。