会社がある程度の利益を上げている前提の話になりますが、会社をうまく使うとオーナー社長の資産形成に役立ちます。不可避な支出を会社から出すようにするとお金が貯まりやすくなります。
たとえば自動車を購入する場合
会社を利用したオーナー社長の資産形成のポイントは、「カネのかかるモノは会社に持たせる」です。
例えば、維持費のかかる資産として最も身近なものが自動車です。自動車は購入代金だけでなくガソリン代・駐車場代・車検代・自動車関係の税金…さまざまな維持費が発生します。
要するに、この自動車を会社名義にするか、社長個人の名義にするかという話です。
会社の名義にすると
自動車を会社の名義で購入しますと、購入代金は減価償却費として経費になりますし、ガソリン代や車検代などの維持費も経費とすることが可能です。
会社の経費が増えると、会社の利益が減りますが、利益に対して法人税という税金がかかるため、結果として会社の税金が安くなります。
また、売却の際に損失が生じていても会社の(ほかの)利益と通算できるので法人税が安くなります。
個人の名義だと
一方で、自動車を個人の名義で購入しても会社の経費とはなりません。
会社の持ち物であれば、会社の業務に使ったというふうに考えられますが、個人の持ち物であれば会社のために使ったと証明することが大変だからです。
しかも、ガソリン代や車検代などの維持費は自分の給料の中から払うことになります。
会社も財布
社長が車を利用して、お金をはらうというだけの話であっても、購入者の名義をどうするかだけで、税金が大きく変わってしまいます。
事業に全く関係のないものを会社で買うということは難しいですが、事業に関係するものであれば、会社に持たせるということを検討する価値はあるでしょう。
経営者にとっては、会社も大きな財布であるともいえます。
すべての人が持っている普通の財布と、経営者だけが持っている会社という財布。
普通の財布から出すと経費にならないものでも、会社という財布からでていくいお金だと経費になるものも多くあります。
どちらからお金が出ていくように仕組みを作るのかで、不可避な支出なのであれば、なるべく会社という財布からお金が出ていくようにすると、個人の財布にお金が残るので、資産形成につながります。
経営者は2つの財布(個人と会社)をうまく使い分けることが、資産形成の肝です。