経理と税理士(補助)は求められる能力が違う

 求人情報などで経理と税理士補助(税理士事務所の職員)は同じようなカテゴリーになりますが、求められる能力などは違います。

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 どちらの職種にも共通しているのは、会社の活動に関わる数値を集計・計算していく「会計業務」や、会計業務で得た数値をもとに税金を計算したり、それに関わる書類を提出したりする「税務業務」、これらの周辺業務として給料を計算したり社会保険の届け出をしたりといった「社会保険業務」があります。

 

 いずれも関連している業務なので、分類上は近いカテゴリーにあるのでしょう。

 

 ハローワークや人材派遣の会社などでも、経理系の業務としてひとまとまりになっているようです。

 

 もちろんどちらの職種も、簿記・税金・社会保険関係の知識は必要となるのは共通です。税理士・税理士事務所の職員は税金関係の知識はより深いものが要求されます。

 

 経理の場合には、(中小企業の場合)自社で(税金の)申告書を作成することは少ないので、税金の知識に関してはそこまで深い知識を要求されません。最低限の知識で十分な場合が多いです。

 

 税金の知識はそこまで要求されませんが、日々の取引を記録・入力することには正確性と精密さを要求されます。さらにスキルを積めば、これらの数値を分析したり、計画を立案したりといったことも要求されます。(取引の記録・入力だけの人も多いですけどね)

 

 よって、経理の場合には日々の取引を正確に記録・入力し続けていく正確性や継続性が必要です。(会社の取引内容を一番分かっているのは会社の人間なので、条件が許せば極力会社の人間が取引を記録・入力するほうが正確です。)

 

 一方、税理士・税理士事務所の職員の場合、様々な職種のクライアントに関与するので、業態ごとの経理フローの構造や税務上の注意点を理解する能力が求められます。

 

 経理職が1社のみの経理フローを突き詰めていくのに対して、税理士・職員は複数のクライアントの経理フローを柔軟に把握しなければなりません。その中で、会計・税務的なリスクなどをクライアントに伝えていくことも必要です。

 

 どちらが上位・下位とうわけでなく特性・方向性が違います。ですから、会社の経理フローがうまく回るように両方が協力することが大切だということですね。