融資の提出書類などで、「決算書を準備してください」と言われることがあります。
多くの中小企業では、決算を税理士に委託しているでしょうから、決算書は税理士から決算後に納品されることとなります。
ただし、「決算書」と一口にいっても、金融機関などが「決算書」と言う場合、狭い意味の決算報告書だけでなく、法人税申告書や勘定科目内訳明細書を含めた一式を指していることがあります。
また、納品方法も紙だけでなく、PDFなどのデータで受け取るケースがあります。e-Taxで申告している場合は、以前のような収受印ではなく、受信通知などで提出済みであることを確認します。
この記事では、税理士から納品される決算書一式の中身と、会社側で確認・保管しておきたいポイントを整理します。

納品される決算書一式の主な構成
| 書類 | 役割 |
|---|---|
| 法人税申告書 | 法人税の計算内容をまとめた申告書 |
| 法人事業概況説明書 | 会社の事業内容や従業員数、主要な経営情報をまとめた資料 |
| 決算報告書 | 貸借対照表、損益計算書など、会社の決算内容をまとめたもの |
| 勘定科目内訳明細書 | 預金、売掛金、借入金など、主要科目の内訳 |
| 消費税申告書 | 消費税の課税事業者の場合に作成される申告書 |
| 地方税申告書 | 法人住民税・法人事業税などの申告書 |
この他に、各勘定科目の取引明細を一覧にした帳簿である「総勘定元帳」も合わせて納品されることがあります。
また、税理士事務所によっては、決算書以外に「納税一覧」(決算にあたって支払う税金のサマリー)や「決算報告」(決算における注意点や概況などを税理士がまとめた報告書)などを添付するケースもあります。これらは、社内向けの資料であるため、金融機関などに提出する決算書一式には含めません。
紙納品とデータ納品の違い
税理士事務所によって、決算書一式を紙で納品するところもあれば、PDFで納品するところもあります。
紙で受け取る場合は確認や保管しやすい一方、提出時にはコピーやスキャンが必要になります。
PDFで受け取る場合は、金融機関や行政手続きでの提出に使いやすい一方、会社側で保管場所を決めておかないと、後で探せなくなることがあります。
いずれか一方しか対応していない税理士事務所もありますし、要望すれば変更してくれるケースもありますので、変更が必要な場合は相談してみるのも良いでしょう。
収受印に代わるものとしてのe-Tax受信通知
以前は、申告書の控えに税務署の「収受印」が押されていることが、提出済みであることの分かりやすい証拠になっていました。
しかし、令和7年1月からは、申告書等の控えへの収受日付印の押捺は行われなくなっています。
e-Taxで申告している場合は、収受印の代わりに、申告データが税務署に到達したことを確認できる「受信通知」が発行(送信)されます。
ですから、受信通知を決算書と一緒に保管しておく必要があります。(紙で納品される場合もPDFで納品される場合も、受信通知は申告書控えと一緒に綴じ込まれている、または同じフォルダに保存されていることが多いです。)
総勘定元帳はいつ使うのか
税理士からの納品物には、総勘定元帳が含まれることがあります。
総勘定元帳は、勘定科目ごとの取引明細をまとめた帳簿です。
日常的に社長が読む資料というより、税務調査、過去取引の確認、科目別の明細確認などで使うことが多い資料です。
過去の取引が全て記録されているため、税理士変更の際にも必要となります。
「前の税理士」から「新しい税理士」へ、自社の情報を連結するうえでも重要なため、税理士変更の打合せなどには必須といえます。
そのため、普段使わないからといって不要というわけではなく、決算書一式とあわせて保管しておく必要があります。
青い紙でないとダメなのか
なお、申告書が青い紙でないと青色申告ではない、というわけではありません。(紙での提出が一般的だった時代には、用紙の色で区別されることもありました。)
青色申告かどうかは、紙の色ではなく、青色申告の承認を受けているかどうかの問題です。
現在では電子申告やPDF納品が一般的になっているため、紙の色そのものより、申告済みの資料一式をきちんと保管しておくことの方が重要です。
まとめ
税理士から納品される決算書一式には、決算報告書、法人税申告書、勘定科目内訳明細書、総勘定元帳などが含まれます。
納品の形態も、「紙」「PDF」があり、いずれにもメリット・デメリットがあります。
また、現在はe-taxでの申告書提出が一般的なため、税務署が受け取ったという証拠は収受印にかえて「受信通知」となっています。
決算書とともに総勘定元帳が納品されることがありますが、融資などでは提出しないものの、税務調査や税理士変更時に必要となりますので、保存必須です。


