税理士業界は「特殊な業界」

8月になると税理士業界の就転職シーズンがきます。業界未経験の方も多く就職なさる方が出てくるかと思われるので、業界の特殊性について少し触れてみます。

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個人的な話で恐縮なのですが、僕は税理士業界にはいる前に一般の会社で営業マンをしてました。

 

大学卒業後に就職活動をして就職してサラリーマンをして、一念発起して税理士に転身したという脱サラ税理士であります。

 

その後、税理士業界にはいって感じたことは、この業界は非常に「特殊な業界」だと言うことです。

 

具体的には、

①税理士業界なのに働いてる人の半数以上は「税理士ではない」

②非常に「古い業界」である

③ほとんどが「零細企業・事業者」である

といったことです。

 

①働いてる人の半数以上は「税理士ではない」

 業界に入る前には分からないこととして、働いている人の半数以上は税理士ではありません。

 

 結構な年配の方で仕事をばりばりやってらっしゃるような方でも、バッチを持ってない(税理士ではない)という人は多いです。

 

 お医者さんの業界でしたら、医者は医者の資格を持っているし看護師は看護師の資格を持っているので何かしらの資格を持ってらっしゃるのでしょうが、税理士業界では税理士でない人も税理士業務をしています。

 

 勤務時代に、番頭格の大先輩に聞いたお話ですが、「税理士バッチを持ってるのと持ってないのではお客さんからの見られ方が全然違うから、頑張りなさい」ということを言われました。

 

 その通りだと思います。やはりバッチを持っていると周りからの見られ方も変わりますし、扱われ方も違います。バッチを持っていることによって、業務に対する姿勢も変わりますしね。(独立するともっと変わりますけど)

 

 試験勉強中の方は、ぜひバッチを取っていただきたいと思います。

 

②非常に古い業界である

 税理士業界は非常に「古い」です。

 

 新卒で入るとなかなか感じないかもしれませんが、別の業界から転身してくると税理士業界の古さというのは様々な面で感じます。

 

 昔ながらの徒弟制度的な風土を残していたり、業界特有の習慣があったり、業務が極めてアナログだったりと随所で古さを感じます。

 

 「古い」というよりかは、「保守的」「カタい」といった方が伝わりやすいかもしれません。

 

 税理士の業務柄、常にリスクと隣り合わせですから保守的になるのは仕方ないのかもしれません。

 

③ほとんどが零細企業である

 税理士業界にはいるということは、中小零細企業にはいるということです。

 

 大企業に比べて、福利厚生は充実していませんし、教育制度等も全く整っていません。大企業に勤めていれば、有給休暇を取るのもそこまで気を使いませんが、税理士事務所では有休を取るのもひと苦労です。

 

 また、中小零細企業では社長がすべてです。税理士事務所では、所長です。

 

 所長の人柄=社風みたいなところがあります。所長と合わなければ、大変ツラい勤務になりますし、所長と合えばとても融通が利く勤務も可能です。

 

 

 

税理士業界は「特殊な業界」でありますが、勤務をしっかりこなせば税理士としての下地が出来上がります。そうすれば、独立開業となって色んな可能性が広がります。

 

表面的な苦しさだけを見ないで、大きな可能性のある仕事だと思って取り組んでいただければ幸いです。