依頼する税理士によって税額が異なるのは何故なんでしょう?
税金を計算するための算式は決まっているが…
たまーに、お客さんから「依頼する税理士によって税金が異なることがあるって聴くけど、どうして?」みたいな質問を受けます。一般の方からすれば、税金を求めるための公式は決まっているわけだから答えはおなじになるのでは?と思われるかもしれません。
たしかに、算数や数学の世界では公式が同じなんだったら答えは同じになるに決まってますよね。
ところが、税金の世界では公式が同じでも答えが違う場合があるわけです。
税金をとるためには法律が必要
難しいい言葉を使わずに簡単に説明しますと…
日本では国などが税金をとるためには法律で定めておかなければなりません。当然といえば当然ですが、そうでなかったら困りますよね。
「国の財政がキツイから、明日から税金を5倍にします」とかテキトーなことで税金が決められると世の中が立ち行かなくなってしまいます。ですから、税金をとるためには法律で決めておくわけです。
税金に関する法律を「税法」といいます。
法律には解釈がつきもの
この「税法」には税金に関する「基本的な事項」が定められています。(実際には、税法は「所得税法」「相続税法」「法人税法」などのように細かくなっていますが)
「基本的な事項」というのが曲者なんですが、税法では事細かに決めているわけでもないんですね。あまり細かくしすぎると読みにくかったりと不都合があるので、税法の下に施行令や施行規則とよばれる細かな取扱いが定められています。
更にその下に、事実をどのように解釈するのか具体的に定めた「通達」とよばれるものがあります。「通達」は役人さんが解釈に困ったときのための指針みたいなものです。しかしながら、通達というのはお役人さんには強制力があるけれど、納税者や税理士にはないわけです。(解釈の指針ですので)
なので、通達がおかしいと考えれば、納税者や税理士は異なった判断をするということになります。
また、通達がカバーしきれていない細かな部分も出てきますので、そういった面で税理士によって法律の解釈が異なってきます。結果、解釈が異なることによって税額が変わってしまうことがあるのです。
(テレビ番組などで、法律を扱っているような場合、弁護士の先生方によって解釈が異なることがありますよね。同じようなことが、税理士によっても起こりうるということだといえば分かりやすいでしょうか。)