起業するときに、「その業界での経験があったほうが良いのか?」というのはなかなか深い問題です。
経験はあったほうが有利?
自分で商売をはじめる(起業する)ときに経験があったほうがいいのでしょうか?
普通に考えれば、無いよりはあったほうがいいと誰もが思います。
たとえば、自分で商売をはじめて間もないころにおカネを借りるとき(創業融資といいます)、たいていは「日本政策金融公庫」での融資をまず検討します。
ここでおカネを借りるときの条件はいくつかあるのですが、自分で商売をはじめて間もない人がお金を借りるための条件のひとつに、これからはじめようとしている商売の「経験」があることが条件になっています。
そうすると、すくなくとも政府(日本政策金融公庫は政府系の金融機関なので)は、商売をはじめるには、その商売での経験があったほうが良いのではないかと考えているのでしょう。
経験が邪魔することも
ただ、経験があればいいのかというとそうでもないようです。
わたしも、ご自身で商売をはじめようという人をサポートした経験が少なからずあります。その視点からいうと、経験はあったほうが有利では有るけれど、自分がはじめようとしている商売の経験がなくても「準備」をしっかりとしていれば致命的ではないでしょう。
むしろ、経験があるからと「準備」不足のまま商売をはじめてしまって、 困ったことになったという例はたくさんあります。
また、経験がないゆえに「新しい」発想ができることもあるので、マイナスばかりではありません。
経験ではなく必要なのは準備
経験がない人は、不安なので綿密な準備や情報収集をします。そういった過程の中で、ご自身のアイデアや計画が磨かれていくのでしょう。
さきほどの融資についても、経験が不足していてもほかの条件を満たしていれば、融資を受けられることもありますし、逆に経験があっても準備が不足していると見られれば融資を受けられないこともあります。
雇われの身で経験があっても、自分自身で商売をするのとは全く違います。そういった意味では、みんなが初体験です。そう考えれば、自分がはじめようとする商売の経験がなくても、気にすることはないのかもしれません。
自分で商売をはじめるときに 必要なのは、しっかりとした「準備」ではないでしょうか。