経理丸投げ先をよく考える

自分で商売をはじめる(起業する)と、商売の記録をつけなければなりません。それをもとに税金や社会保険料などを支払っていきます(経理事務)。経理事務をどうするのかはなかなか頭の痛い問題です。

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経理事務の必要性

自分で商売をはじめると、商売の数字上(お金)の記録をつけなければなりません(経理事務)。それをもとに税金などを支払ったりするからですが、お金の記録がないと儲かっているのか損しているのかお金が足りているのか足りないのかということがよくわからなくなってしまいます。いわゆるドンブリ勘定というやつです。

したがって、 経理事務をやらないという選択肢はないので誰がやるかという問題になります。(経理事務をやらないと、当面は何とか会社を動かすことが出来ても、いずれ破綻します)

①自分でやるのか、②身内に頼むのか、③外部の専門家に頼むのか、といったところが一般的な選択肢でしょう。

経理事務を自分でやる

経理事務という作業に親近感を持っている社長さんは少なく、どちらかと言うと苦手意識を持っている方のほうが多いように感じます。それでも、なんとか勉強したりして自分なりにやっている人というのは数字に強く、性格的にきちんとしないと気がすまない人が多いような気がします。

このタイプの方は、きちんとした方が多いので経理事務への理解をしているので悪いこともしません。

ただし、事業が拡大して忙しくなってくると自分でやる時間が取れなくなったり、費用対効果が合わなくなることが多いです。そういった場合には、経理事務員を雇うとか身内に頼むとか、本業に差し支えの内容にすべきでしょう。  

経理事務を身内に頼む

経理が苦手なので他の人に頼む 、あるいは自分でやっていたけれど事業の拡大などにより忙しくて自分でできないから身内に手伝ってもらうというパターンです。

身内に頼む場合、配偶者にしておいたほうが良いでしょう。それ以外の身内はダメです。というのは、経理事務は抱え込みやすい仕事だからです。

抱え込みやすいというのは、ほかの人から見たときに何をしているのかがよくわからないということと言い換えられます。たまに、経理担当者が横領していたとかのニュースを見かけますが、抱え込みやすい(ほかの人が見たときに何をしているのかがよく分からない)ことが原因です。抱え込みやすいゆえに、経理担当者が大きな力を持ってしまい、最悪のケースでは横領などの犯罪になってしまうのです。

横領などの犯罪にならなくても、会社組織というのは社長をトップにしたピラミッド型が理想ですが、社長が経理担当者が何をしているのかがよくわからないと社長をトップとしたピラミッド型が崩れてしまいます。

そうすると、経理事務を頼める身内は配偶者だけです。配偶者は社長と一心同体、運命共同体ですから横領などしませんし、なんでもツーカーです。身内であっても兄弟姉妹だと一心同体とまではいえませんし、 揉めることも多いです。(兄弟姉妹や身内を雇うなと言っているのではなく、経理担当者にはするなと言っています)

経理事務を丸投げする

 ①経理代行会社
会計代行の会社ですね。 運営元が、税理士などのところとそうでないところがあります。記帳自体は誰がやっても問題ないのですが、その後の税務申告は税理士しかできないことになっています。運営元をよく考えて委託するかどうかを考えたほうが良いでしょう。

経理代行の会社は、 一般的に「安かろう悪かろう」の世界でもあります。スキルの高い人に経理代行の処理を任せていると採算が合わないためです。

②税理士事務所
会計代行を行っている税理士事務所に丸投げするパターンです。 しっかりした税理士事務所であれば、しっかりした処理をしていますので(税務的な)リスクは抑えられるでしょう。そのかわり、お値段もめちゃくちゃ安くという訳にはいきませんが

(番外編)自動の会計ソフト

「fr◯ee」 とかそういった系です。知らない人のために簡単に説明しますと、いわゆる全自動会計ソフトと呼ばれるもので、従来の会計ソフトは自分でデータ入力をしなければいけないのですが、ネットバンクなどを紐付けして初期設定することで自動的にデータを変換して会計書類的なものを作成するというソフトです。

ただ、導入にあたっては様々な制約(ネットバンクの設定など)があり、作成される会計書類的なものもそこまで正確かというと、そうでもありません。極めて小規模で、税務的なリスクが小さい事業者しか利用しないほうが良いのではないかというのが現状です。(今後、改善される可能性もありますが) 

 

現実的には…

現実的には、一部の処理を自社で行い、難しい判断などを税理士事務所にお願いして経理書類の正確性を確保するという方法が多いようです。全丸投げはなかなかうまくいかないことも多く、コスト高にもなってしまいます。

かといって、全部を自社で賄おうとすると正確性も確保できないということで、折衷的になっているのが現状でしょう。