税理士を「経理の外注屋」をするか「外部の相談役」とするかは経営者次第

口の悪い人は税理士のことを「経理の外注屋」なんて言いますが、使い方付き合い方次第でしょう。それでも合わなければ、変えるという方法もあります。

外部の相談役とするか

コミュニケーションが取れていない

税理士とコミュニケーションを取れて(取って)いないので、取引内容をまとめて税金の申告と支払いをしておしまい…のような事例はよく見かけます。

コミュニケーションといっても、毎回必ず合わなければならないというわけでもありませんが、数ヶ月に一回あるいは要所要所で会ったり話をして「頭の中身」を共有しておく必要はあるでしょう。

経営者(事業主)が思っている心配事や課題と、税理士が客観的に見て感じる心配事や課題が一致していれば対策も迅速に取れますが、一致していなければ対応が遅れてしまい経営が苦しくなることもあります。

また、コミュニケーションを取る(頭の中身を共有化する)なかで、考えなどが整理をされやるべきことが明確になったり、心配が減ったりという効果は小さいようで非常に大きいです。(やるべきことをいつまでもやらない人は一定数いますが、尻を叩く役目もあるようです)

資料を提供できていない→不足、期限ギリギリ、内容不明

税理士に資料を「適切に」提供できていないと、正確な現状を把握できません。

税理士に経理データの作成まで依頼している場合、通帳や請求書、領収書、給料台帳などを資料として提供しますが、これらがズレていたり足りなかったり期日に遅れたりだとダメでしょう。

税理士が提供するサービスは、資料をまとめて(あるいはクライアントが作成したデータを手直しして)分析して報告する、場合によっては対策を提案するというのが主なものです。

資料が不足していると、当然のことながら正確な処理ができませんから間違いも起きますし、そういったデータの取りまとめに時間がかかりすぎると肝心の分析や提案については手が回らなくなってしまいます。

資料を適切に提供すること、そしてどういったフィードバックがほしいのか自分なりにも考えて見るだけで随分と違ってくるはずです。

そもそも自社のことが理解できていない

そんなバカなとお思いでしょうが、自分(自社)のことって意外とわからないことも多いものです。

自分の性格もわかっているつもりでも、他人から見ると印象が違ったり、データとしては思っていた方向性と違ったりがあります。

創業者の社長でも自分の会社を正確に把握できていないこともありますし、2代目以降になってくると先代から受け継いだ部分で不明なことがらも出てきたりして、わからないということも。

この場合、何が問題かというと、つまり自分が思っているのと、他人から見るギャップが大きいと、融資など他人の目が入る案件の際に失敗しやすいです。

いちばん身近な第三者は顧問税理士ですから、相談する中でギャップを埋めていきたいですね。

業務に見合った報酬でない

税理士の報酬を「極度に」値切る人がいます。

業務に見合った報酬でないと、当然のことながら税理士側も提供するサービスを落とさざるを得ません。

そうしないと、他に適正な報酬を払っているクライアントにも申し訳ないですし、事業として成り立ちませんから。(創業時の苦しい時期に例外的に報酬を安く設定するという人情はありますが)

もちろん、税理士の言い値で高い報酬を払うのがいいとも思いません。が、あまりに値切りすぎると、「見合った」サービスになるため経理を外注していると感じてしまうかも知れません。

勉強していない

会計の専門的なことまで知っておく必要はありませんが、会計や税金について基礎的なことや会社に関係することは知っておくべきでしょう。

最初は知らないのは当然なのですが、いつまでも知らないままだと損をしてしまいます。

特に日本の税金は知らないと損をする仕組みですから、自分自身でも勉強をする姿勢が必要です。

勉強と言ってもそこまで難しいことではなく、「気になる数字を追いかける」「それを改善するためにはどうすべきか」「税金や社会保険はどのように計算されているのか」「普段の取引などで気をつけるべきことは」などを普段から考えておいて、ちょっとずつ深めていければ十分ではないでしょうか。

意識の問題で、意識していなければ税金でもなんでも損をします。税理士や経理担当者がいくら頑張ったところで、旗振り役である経営者の意識が低いままだと損します。

さらに踏み込んで…

上記以外にさらに踏み込むと次のようなこともあります。

さらけ出していますか?

恥ずかしいとか何かしら後ろ暗いとかで、隠していることはありませんか。

当然のことながら法に触れることはしていけませんが、恥ずかしいとかそんなことは特に気にしなくてもいいでしょう。

税理士としては、お金の流れなどはある程度見通しているので、「なんとなく」わかることもありますし、いろんなことを目にしているので特に気にしていません。

むしろ、遠慮して言わなかったり隠し立てていると、どんどん心配事などが溜まっていき辛くなるばかりか、結果も悪くなります。

信用しないと相談役として機能しませんから、まずは信用してさらけ出すということも必要でしょう。

税理士のできることできないことがわかってますか?

税理士であっても法律を捻じ曲げて税を安くしたりはできません。税金はしっかり払うべきものです。

それ以外にも、税理士の守備範囲も知っておくとより効果的です。

餅は餅屋という言葉があり、まさしくそのとおりですが、餅屋に餅とあまりにもかけ離れたことを相談しても満足の行く結果は出ないでしょう。

そのためには、会社がしなければならないことなどんな事があるのか、しっかりと知っておくことが大切です。