完璧主義をやめる(大事なのは大局観)

経理って入り口で躓く場合、完璧にやろうとしすぎているからかもしれません。

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重要でないことも

学習簿記をきっちりやってきた人に多い傾向ですが、発生主義を徹底するあまり無駄に「前払費用」「未払費用」などが多くなってしまう経理をすることがあります。

税務や会計の世界では、売上や費用を「いつ」計上するかが問題となる…

7月の損益を確認するときには「7月分の売上」と「7月分の費用」が計算されていなければなりませんが、費用などは前払いだったり後払いだったりするので、売上と経費がうまく対応させるために、「7月分の」に揃える考え方を発生主義といいます。

お金の動きと、利益が一致しないのはこのためです。

ただ、これも程度問題で、完全にきっちりとやろうとするとキリがなかったりなので、ある程度重要なものに絞ってやらざるを得ません。

会計データの大半が、発生主義に修正するための処理でかえってわかりにくいという会社の経理も見かけます。一生懸命やって、分かりづらいというのもやるせないですよね。

大局観が大事

最近にわかに将棋ブームですが、いわゆる大局観というやつ。

小さな局面の判断でなく、全体としてみたときの形勢判断のことを大局観といいますが、大局観に優れれば、有効な手を指せるので勝負に勝ちやすい。

経理処理も、大局観が大事です。

小さな局面を細かく処理すれば、それが全体として正しいというような簡単な話でなく、経理処理にはスピードも大事ですし、概観性(パッと見てわかりやすいこと)も大事なので、

常に細かく、処理をすればいいというものでもない。

会社にとってどういったデータや処理が大事なのか、そのデータをどう使うのか、その優先順位は…ということがしっかりと分かっていないといけません。

自己満足ではだめ

結局、経理処理をして終わりでなく、税務申告や会社の管理のため、あるいは資金繰りなどのためとどういった用途に使うのか、誰が見てもある程度わかるのかといった、

ことを考えず、ひたすら細かくやった経理処理ほど使いづらいものはありません。

経理を担当している人は、それは会社のために必要なのか?たんなる自己満足でないかを常に考えることをしないと

一見、完璧主義というのはいいように見えても、端から見たら役に立たない細かなデータを時間かけて作っていただけというギャップが生まれてしまいます。

完璧主義は、良い習慣でもあるのですが、経理の局面では邪魔になることもあるという。独りよがりにならないように気をつけないといけません。