数字を正確に処理するのは当然として、そこから何をするかというのが本当に大事なのではないでしょうか。
経理は数字だけを処理すればいい?
経理という仕事は、会社で起こった取引を記録集計し報告する仕事です。
取引に関わる数字=お金ですから、ミスなく(ルールに従って)処理(記録集計等)をしなければなりませんし、期限のある仕事なので、一定のスピードも求められます。
ミスなくルールに従って期限までにこなすというのは、ハードルが結構高いようで、ここまでを一定水準で出来ている会社も少ないです。(経理の能力に問題がある場合もあれば、他部門が資料などを出さないなどで処理ができないという社内の統治関係に問題がある場合も多いです)
結果、数字をある程度しっかり処理するというのが目的になってしまっているのが現状です。
数字を説明する
経理は経営管理という言葉の略ですから、単に数字を処理するだけにとどまらず、経営者が判断を行う際に必要となるデータを示したり、時には前もってアラーム的に変化を知らせていくということも必要になります。
数字を説明するというのは、非常に難しいです。
自分だけが会社のお金の流れをわかっているだけではだめで、それを伝えなければなりません。「わかる」と「できる」というのは似ているようで大きく違いますが、「伝えられる」というのはそれらを昇華したようなものなので、もう一つ高次元です。
まれに、経理担当者が横領したというようなニュースを見ますが、経理が伝えるという仕事をしっかりとしていれば起こりえない問題です。
伝えるために
よくできる経理(いいかえれば経理に本当に必要な能力)というのは、数字や経理業務自体を周りに伝えられることでしょう。
数字の処理ができても、他の経理職員に指導ができなくて、自分で抱えてしまう。
経営者にアラームを流せない。
何をやっているのかよくわからない…
もちろん経理だけの問題でないことも多いですが、経理もしっかりと数字を伝える努力をしなければなりません。
よりわかりやすい資料を作るとか、
経営者が本当に求めている数字は何か常に意識するとか、
同じようなことでも繰り返し丁寧に説明するとか、
そういった一見初歩的なことでも(面倒くさく時間がかかりますが)丁寧にやっていかないといけません。
まぁ、伝える努力を怠らないというのは経理に限らず税理士にも求められることなのですけどね。