税理士試験を突破するまでのポイント

税理士試験は難関試験と言われており、難関試験を突破したとしても税理士として開業をするとさまざまな困難が待ち構えています。
難関試験を受けてまで税理士を目指すべきなのでしょうか?

税理士はとてもいい仕事

税理士はとてもいい仕事だと思います。

クライアントの社長の生き様や考え方を間近で見れるし、自分の生き方や考え方に合った働き方が出来るし、やったらやった分だけ返ってきます。

ただ、税理士になるまでにいくつかのデメリットもしくは関門があります。

・税理士試験
・実務経験
・開業後

どれを大きな関門と考えるかはおかれた状況によって違うのでしょうけれど、一般的には税理士試験ということになるでしょう。

近年、税理士試験の受験者数が減少していますが、(当面この傾向は続くとすると)いま税理士になれば、新しいライバルは少ないのでやりやすいと思います。

また、税理士試験はかつての司法試験のような不条理な試験ではないので、きちんと対策を練り、しっかりと勉強すれば結果の出る試験です。

税理士業界の発展のため、個人的に思う「対策」を以下で述べてみます。

何はなくとも勉強時間の確保

税理士試験は全11科目から、必修と選択必修を含めて5科目パスすれば合格となる試験です。

科目によってボリュームや平均的な勉強時間にばらつきがありますが、5科目合計で2,500時間〜6,000時間程度は要すると思われます。

時間に幅があるのは、すべての科目を一回の受験で(言い換えれば一発で)合格出来ない場合もあるからです。

税理士試験は、科目合格性を採用しており、一回の受験ですべての科目に合格せずとも、何年かけても良いとされています。

大抵は複数回の受験を経て合格にたどり着くという傾向があるので、何回の受験で合格するのかという計画と、そのための時間の確保を考えるべきでしょう。

税理士試験に限らず、資格試験は時間との戦いです。いかに時間を捻出するかは誰もが頭を抱えるところであります。社会人受験生も多い税理士試験は、時間の捻出の問題が一番大きい試験では無いでしょうか。

実際に書き出してみる

勉強時間を捻出をする上で大事なことは、自分の時間割を書き出してみることでしょう。

睡眠や食事などの生活時間を書き出して、仕事などの必須の時間を書き出してみるとどのくらい勉強に充てられるかが把握出来ます。

実際に書き出してみることが結構重要で、意外とインターネットやテレビなどの休憩時間が長かったりとか、細切れの時間があったりと有効に使えていない時間があるのが分かります。

余談ですが、税理士になってからもグーグルカレンダーを利用して仕事にどのくらいの時間がかかりどのくらいの分量があるのかを常に書き出して(パソコンなので入力して)可視化しています。

すると、無駄な時間を洗い出せるため段取り良く集中して仕事が処理できるので、うまく時間が使えます。やはり、頭で考えるのでなく実際に書き出して可視化するというのは非常に大事だということでしょう。

可処分時間に応じた勉強の計画をたてる

勉強に当てられる時間を書き出し、その時間に応じた勉強の計画をたてるべきでしょう。

勉強というのは、パンツのゴムと同じでキツすぎてもユルすぎても最大限の効果が得られません。

ですので、自分の可処分勉強時間に応じた科目の組み合わせ、勉強の計画をしっかりとたて、そしてそれを実行していく。

勉強時間が少なすぎれば、先程の書き出した自分の時間割の中から勉強よりも優先順位の低いものを勉強に替えることで勉強時間を確保します。

専門学校を使う

税理士試験は、一般的に複数回の受験を経て合格にたどり着きますが、試験は年に1回なので早くて2〜3年、一般的には3〜5年程度の長丁場になります。

ですので、勉強のペースメーカーとして専門学校を利用します。

専門学校は受講料がかかりますが、それを補って余りあるメリットがあります。

なにか物事を身に着けようとするとき、我流で始めてしまうと変な癖がついて後々苦労する割に大して身につかないといういことは経験則として我々は知っています。

専門学校では、合格のための勉強方法のノウハウが蓄積されているので、変な癖がつくことなく自然と税理士試験に必要な知識や技能が身につきます。

長丁場になると勉強にだれてしまうこともありますが、専門学校に通学していると強制力が働いて意志の弱さを助けてくれます。

専門学校には、受験仲間がいますので、孤独感を感じないというのも大きなメリットでしょう。

税理士試験のカレンダー

経理学校のシーズンは概ね上の図の通りです。

税理士試験が毎年8月の上旬に実施され、12月の上旬に結果発表がされます。

8月に試験が実施されるという都合上、経理学校のシーズンは9月頃にスタートし、翌年7月頃まで続きます。だいたい11ヶ月で構成されているところが多いようです。

ち税理士の業界では本試験のある8月頃と、結果発表のある12月頃が就転職の多い時期になります。8月頃は税理士業界の閑散期でして人が異動するのに都合がいいこと、12月は結果発表がありますので、進路が決めやすいという事情からです。

経理学校のシーズンは9月〜翌年7月ということになりますが、科目によっては1月スタートの科目もあります。1月〜7月の7ヶ月で仕上げるので、短期集中型の人に向いているといえます。

5月以降の試験直前の3ヶ月間は、直前期と呼ばれインプット中心の学習からアウトプット中心の学習に変わるところが多いようです。具体的には、本試験と同じような形式の問題を解きまくる時期ですね。

私の受験生のときの一日

参考までに受験勉強を専念でしていた当時の標準的な一日です。一時期、専念で勉強していました。専念ですので、当然ながら複数科目同時受験です。

まあ、直前の追い込みの時期とそうでない時期では少し時間の配分も違いますが、起きている時間のうち生活時間を除いて大半は勉強に充てていた気がします。

もっと勉強できるような気もしますが、コンディションを考えると寝る時間と多少の体を動かす時間(休憩)は取らないとまずい気もします。

過去問について

これも参考としての個人的意見ですが、税理士試験って個人的にはあまり過去問にこだわらなくて良いのではないかと。

もちろん、過去問を全く解かないとか傾向を無視するとかではありません。

試験というのは、どの試験でもそうですが傾向を知っておくということは必須で、そのために過去問を見ておく必要はあります。

ただ、経理学校に通って勉強していると講師がそのあたりを補ってくれるので、自然と傾向が見えてくるのかなと。

また、過去問は良問もあれば悪問もあるので、過去問だけをやりまくるというのも無駄打ちが多い気がします。一般の教材を中心に、過去問は傾向などを知るために補助的に使うという程度かなと。(あくまで個人的な感想です)

逆張り

資格スクールは、世間の悪いと賑わうという世界でもあります。

いまは景気が良いので、資格によってはやや下火になっているものもあります。

ただ、景気というものは循環するわけでいつまでも景気が良いわけではありません。景気のいい今だからこそ、将来に備えて資格をとっておくというのは有効でしょう。

景気が悪くなってから、資格を取ろうと考えてもライバルも多かったり、経済的な制約を受けて苦労したりということも。