起業前に聞いていた話であてにならないと思うこと

起業経験者なら一度は耳にしたと思われるセリフ。「顧客になってあげる」「起業しても食えない」…ただ、聞いていた話と、やってみるのとでは大違いということがよくあります。

顧客になってあげる

「起業したら教えてね。お客になってあげるから」起業前に誰もが一度はいわれるこのセリフ。言った相手は「もとの勤務先」の顧客とか、知り合いの知り合いとか。

これを受けて「見込み客が数件有るから起業しても大丈夫だろう」と起業してみると、顧客になってもらえなかった…ということはよくあります。見込みが甘いのか、ウブなのか。

悪意に取ると、「相手は元の勤務先の看板を信用しており、自分という個人を買っていたわけではなかった」となりますが、相手も騙したり悪気があっての言動ではないのです。取引を円滑におこなうには、いわゆる社交辞令も必要です。

それに、実際に顧客になろうとしても、元の取引先との関係性もありますし、取引先を変更するにはリスク管理も準備もしなければなりません。タイミングの問題などでも見込み客が顧客になることは少ないのです。

「起業時における見込み客のほとんどは実現しない」くらいに考えておいて、顧客を開拓していくことを考えるべきでしょう。逆に、思いもしないところが顧客になってくれたりするものです。

起業しても食えないよ

「起業なんてやめておいたほうがいい。食えないよ」

起業経験のない人の「起業のイメージ」というのは良くないことが多く、「食えないから大変だ」ということを耳にします。これも悪気があっていっているわけではなく、人は誰しも未知の分野には慎重になりがちだということでしょう。

未知の分野については、ポジティブなイメージよりもネガティブなイメージが大きくなりがちです。起業ともなると、生活もかかっているし影響を及ぼす範囲も自分だけでなく家族などの周囲の人間も巻き込みますので、慎重に考えるのは当然です。

この場合、「食える、食えない」で議論をするのはナンセンスかと。どんな職業でも「食えなくなる」リスクは常にありますが、起業などの未知の分野では、そのリスクを過大に見ている。

「起業しても食えないよ」というのは、「起業しても食えない(こともある)。(だから「起業のこと」をより深く調べ、「起業がダメ」だったときの善後策を検討しておきなさい)よ」と思っておいたほうが良いかもしれません。

交流会に行くといいよ

顧客の開拓や人脈の構築のために「(異業種)交流会」にいったほうが良いというアドバイス。

リアルに会って話をするというのは良い経験になると思います。ただ、ハズレが極めて多い。

起業する前や起業した当初は、自身のビジネスの方針がしっかりと定まっていませんから、どういった交流会に自分の顧客や求める人脈がいるのか、その人達に何が出来るのかが明確にできていません。

目的や手段が曖昧なまま、交流会にいっても名刺交換して当たり障りのない会話をしてお終いになってしまいがちです。結果、ハズレとなる。(逆も真なりで、参加者も同じような感じだと、ビジネスに発展しづらいです)異業種交流会は疲れますし、変な営業に遭ったりもします。

行動を起こしてみることは大事ですが、自分の目的や自社が与えられることと会の特性が合っていないと、お互いに時間の無駄ですから、「交流会(に代表される自身の目的に合った、人の集まる場にたまには)行ってみるのもいいよ」くらいに考えておけばいいかと。

同じ時間を使うなら、セミナーに参加したり書籍を読み込むほうが、役に立つのではないでしょうか。