何月分の給料か

20締め25日払いの場合はあまり考えなくても問題ありませんが、末締め翌月5日払いの給料などの場合は「◯月分」は一体いつなのでしょうか?

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締日と支払日

給料の計算を締切る日のことを締日といい、20日締めの場合だと、21日〜翌月の20日までを計算期間として給料を計算します。

給料の計算は、勤怠(欠勤や遅刻早退など)や有給の消化などを集計し、社会保険料や所得税などを差し引かれるものを計算し入金の準備をなければならず、意外と時間と手間がかかります。

ですから、20日に締めたとして20日に支払うことはできません。たいていは5日以上の余裕を持って、20日締めで25日に支払うなどが多いです。

さて、締日と支払日が同じ月にあれば「これは◯月分の給料」というのは、問題になりませんが、締日と支払日が別の月になるような場合、「◯月分」はいつになるのでしょうか。

一般的には支払日ベースで考える

たとえば、3月の31日締め、4月の10日支払いの給料があったとします。

この場合、給料の計算期間(働いた期間)は3/1〜31ですので、3月分の給料ということもできます。

一方、支給は4/10なので支払日をベースに考えれば4月分とも言えます。

どちらが正しくてどちらが間違えているというものでもないのですが、税理士など会計に携わる人間は支払日ベースで考えるのが一般的です。

ですから、この給料は「4月分」ということになります。

給料は税金と切っても切れない関係で、その年最後の給料支払い時に「年末調整」という作業をします。

その年分の所得税を計算して、毎月の給料から天引きしてきた(源泉)所得税と清算し、不足があれば追加で徴収し、超過があればその金額を還付します。

そのときに年の最後に「支払う」給料を12月分と考えるので…支払日を基準に「◯月分」というわけです。

対象期間と「◯月分」を同時にいえばいいのでは

税理士の仕事をしていると、年末調整の際に先程の「◯月分」の給料の考え方で、ちょっとした行き違いを目の当たりにすることがあります。

3月の31日締め、4月の10日支払いの給料を我々(主にお金を扱うことを専門にしている人間)は「4月分」と考えるのですが、そうでない人たちの半数ぐらいは「3月分

」と考えられます。

すると、源泉所得税の計算をしますので「1月から6月までの」給料を教えて下さいとかお願いをしたときに困ることがあるのです。要はひと月ズレる。

そういったことがないように、「1月から6月までに支払った」給料(12月〜5月分ともいえます)を教えて下さいと正確に言えば万事解決です。

意外とこういったことって、誰も教えてくれないんですよね。