事業を始めようと、挨拶回りや物件探しなどをしていると、使わなくなった棚とか椅子とかロッカーとかそういったモノをもらうことがあります。これって、どう処理すればいいのでしょうか?
基本的には買ったときと同じ
棚や椅子、ロッカーなどの備品を買った場合、つまり固定資産の処理と同じになります。
少額であれば、全額が当期の経費になりますし(消耗品費などで処理)、高額であれば資産計上して減価償却します。
お金を払ってないということは
ただし、買ったときとの違いはお金を払ったか払ってないか。
お金を払っていても、払っていなくても「モノの価値」は変わらないはずなので、その分だけ「お金を払わなくて良くなった」つまり「得をした」ので、経理的には収益を計上します。(会計的にはけっこう複雑な理屈があったりします)
「受贈益」と呼ばれる利益ですね。(買ったときはお金が減るという処理がされています)
その金額は
モノをもらうと「本来なら払わなければならないお金」を「払わなくて済んだ」わけだから「得をしている」ので、「受贈益」という「得しましたよ」って金額を計上するというのは理屈としてわかるのですが、問題はその金額です。
その金額は「時価」と言われています。
時価=その貰ったモノのそのときの価値。
ネットの無いむかしは、モノの価値を調べるのも苦労したでしょうけれど、ネットで類似のモノを検索すればおおよその検討はつきます。
ネット上で実際に売り買いをしている金額は時価と考えても差し支えないでしょう。ただし、高額になってくると税務リスクもありますので相手に尋ねたり、ほかの方法も駆使して金額を調べることは必要ですし、税理士に相談することは必須です。