重要な書類に印鑑を押すのはいい面もある

日本には重要な書類には印鑑を押す文化がありますが、昨今はテレワークなどでは問題視もされたりしますが、いい面もあるかと。
印鑑を押すという一種のセレモニー的なことを加えることによって、約束や確認事項に重みを持たせているという側面はあるかと。
要は使い分けなんでしょうけど。

印鑑を押すのは確認のため

重要な書類に印鑑を押すことは多々ありますし、ビジネスシーンでは特に多くなります。

一般的に、印鑑を押すのはなんらかの意思表示をするためで、大抵は「確認しました」とか「認めます」とかそんな意味でしょう。

どんな仕事や契約でもそうですが、「確認」というのは大事だったりします。トラブルの多くは、この「確認を念入りにしていれば防げたのかも…」と思われるものもありますので。

印鑑必須の書類もあればそうでないものも

不動産などのような高額なものについての取引書類(売買、登記など)とか、キッチリと法に則って作らないといけないもの(遺言書、遺産分割協議書、金銭消費貸借契約書など)は印鑑必須で、更に印鑑証明書まで必要。

日頃の取引程度で有れば特に印鑑は、押しても押さなくてもみたいな書類もあります。
ちなみに法人税の申告書は、かつては社長の名前を自署して押印が必須ではありましたが、電子申告の普及により必須ではなくなりました。

弊社では、電子申告のトラブルに備えて、そして、社長が決算や申告内容を認めたという確認のために、印鑑は受領します。

「内容を認めた」という「確認」のため

印鑑を押すのは、あるいは押させるのは、その内容を「認めた」という確認のためです。

「世間一般の慣習」として、軽い約束程度であれば口約束でもよくても、あとあと面倒になりそうなことや重要なことは、しっかりと契約などの書面に落とし込んで、印鑑を押して(押させて)、確認をとります。

これだけだと、単にセレモニー的に捉えられがちですが、相手にプレッシャーをかける、これは契約(重い約束)なんだと認識をさせるということは非常に重要です。

法的には印鑑でなくても、効果は変わらないものもあるのかもしれませんが、相手にキチンと念押しし、確認を取るというのは、心理的影響は違います。

昔聞いた話で面白いと思ったのは、アパートの契約の話で、契約書に印鑑をつかせるのは当然として、更に部屋の状況がこうだというのを立ち会ってしっかりと確認し(確認させ)更に痛みや傷のあるところは(お互い立ち会いのもと)写真に撮るらしいです。

すると、相手も「めんどくさそうだ」と思うそうで、荒い住みかたはしなくなることが多いのだとか。

約束の重みをキチンと知らしめるという点で示唆に富んだ話だと思います。

他にも、結婚もそうで、紙切れ一枚で結婚はできますが、印鑑やら証人もつけて、更に結婚式とかエンゲージリングとか。そういった確認をすることで、約束に重みを持たせているんでしょうね。

ある程度の年齢に達すると、実印を作ったりしますが、実印を持ってるというのは社会的責任を負っているということを認識させるのにいい面もあると思います。

テレワークなどの推進を阻んでいる印鑑の問題も、どこまで印鑑が必要でそうでないかという権限などの問題が実態であって、印鑑が何でもかんでも悪いというのはちょっと違うのかなと。