世間話で「どの業界が儲かってますか?」というような話をすることもあります。まぁ、税理士がクライアントさんと世間話をするときによく出てくる話題なわけですが、意外と難しい問題でもあります。
業界のくくりが難しい
自分がどのような商売をしているか、他の人にわかりやすく言うために、「◯◯業」ですと言うことはありますが、この「◯◯業」という括りは、あまりに曖昧。
例えば不動産業ひとつとってみても、いわゆる不動産業と呼ばれるなかには、賃貸・売買・管理・仲介などに分かれますし、それらも専門特化している会社もあるため、細かく分かれていきます。
似たような仕事をしていると思われる会社であっても、実際にやっていることは全然違うということはよくあることです。
我々税理士業もはたからみれば同じようなことをやっているように見えて、実はクライアントの規模から業種も各税理士によってさまざまですし、提供するサービスも(税務申告は同じにしても、それ以外の部分では)種類も違えば質も違います。
ですから、業界の中にいる人からすれば「括りが大雑把すぎる」と感じることであっても、外野の人はそうは思わず漠然と聞いているわけです。
儲かってる(と思われる)業界でも、全てが儲かっているわけではない
儲かっている(と思われる)業界でも、全てが儲かっているわけではなく、業界の中でも格差はあります。儲かっているとも割れる業界の中でも、苦しんでいる会社もあれば、儲からないとも割れている業界でも、成果を上げている会社もあります。
どんな業界でも優勝劣敗はあり、悪い方の話だけを聞けば「儲からない」となりがちです。全ての事業者の話を聞けない限り、判断はできないのですが、すべての話を聞くのは不可能です。
人間は自分が聞いたり見たりした情報を過大に評価しがちですが、すべてを見れるわけではないので、実態はよくわからないというところでしょう。
儲かってる業界を知ったところで
儲かってる業界を知ったところで、そこにこれから参入していけるかといえば、そんなことはありません。
結局のところ「どの業界が儲かってるのか?」という質問は、時候の挨拶とか社交辞令みたいなもので、特に深く考えてきかれたわけでもないし、答える側も、真剣に深く受け止めてもどうしようも無い側面があります。
そう思っていたら、大怪我もしないのでは無いでしょうか。明日は我が身と思って、自社を取り巻く状況を冷静に見つめながら、日々の仕事に取り組むしか無いんでしょうね。