安い単価で仕事を受ける負のスパイラルの脱出法

安い単価で仕事を受けると、様々なデメリットがありますが、わかっていてもハマってしまうと抜け出せません。その負のスパイラルを断ち切るにはどうしたら良いのでしょうか?

「安い単価」で仕事を受けるデメリット

経済が膨張している昭和の時代であれば、薄利多売のビジネスモデルもやっていけたのかもしれませんが、令和の時代においては成立しません。現在でそのようなビジネスモデルでやるとなると、相当なデメリットを覚悟しなければなりません。

給料が低くなる

安い単価で仕事を受けてしまうと、会社の売上の「上限」が決まってしまいます。売上の中から給料や経費の支払いをしなければなりませんから、従業員に満足のいく給料を支払うのが難しくなってしまいます。

かといって、安い単価だから仕事の難易度が低かったり拘束時間が短かったりするのかといえば、そうでもありません。

結局、それなりの仕事量をやってもらい、拘束時間もそれなりに取るのにも関わらず、その従業員に報いる満足な給料が支払えないという事態が起こります。

人を雇っていなくても、自分の貴重な時間が奪われているということです。自分の時間は自分だけのものではなく、家族などに迷惑をかけていることを自覚すべきでしょう。

モチベーションの低下

安い単価だと仕事に対するモチベーションは必ず下がります。
プロなんだから、単価の高低に関わらず全力を尽くすべきだという意見もありますが、プロなんだから自分や自社の商品を「安売り」してはいけないのです。

安くてもそれなりの手間や労力はかかりますし、原価も発生します。

でも、それに見合ったお金がもらえないとなると、モチベーションが下がるのが当然です。
モチベーションが下がると、ミスや事故の元ですから、とても危険なのです。だったら断ったほうがマシなのですが…

断るのが怖くなる

安い単価でばかり仕事を受けていると、売上全体が押し下げられるのですが、そうなってくるとますます仕事を断りづらくなります。

一定規模以上の売上が確保できていると、仕事を断ることに抵抗を感じずに済むのですが、売上が一定の規模以下だと、単価が低い仕事でも無いよりマシみたいな発想に陥ります。(ちょうどお金がない人のところにはお金が貯まらず、ある人のところにはお金が集まるみたいな理屈と同じことです。)

結果、安い単価でやってはいけないと思っていても、安い単価で仕事を続けることになるのです。

脱出するには

安い単価で仕事を受けるスパイラルにハマった場合、抜け出すのは容易ではありませんが、方法がないわけではありません。

売上の減少を恐れない

安い単価の仕事で、相手に単価を上げてくれと要求するのですが、そういった相手は応じてくれないことがほとんどでしょう。

そもそも、安い単価で仕事を頼む人は、相手が困るだろうなとは思いません。思っていたら、そんな単価で仕事を頼みませんから。

値上げ交渉の余地がないので、断らざるを得ません。
仕事を断れば、一時的には売上は減少するでしょうが、それを恐れていては一歩を踏み出すことはできないので、まずはその恐怖に打ち勝つ(克つ)ことでしょう。

時間をつくる

安い単価で仕事を受けると、それを補うために或いはそのせいで、忙しくなります。

忙しさには「いい忙しさ」と「悪い忙しさ」があるとして、どう考えても安い単価で仕事をしてる場合の忙しさは「悪い忙しさ」です。

忙しいのに儲からないからドンドン疲れていって、思考停止してしまいます。
考えられないのもあるでしょうし、考えたくないから忙しくしているのかもしれませんが。

ただ闇雲にやっても疲弊するだけですから、まずは立ち止まる時間をつくることも重要です。
忙しさを言い訳にしないで、仕事を止める・時間をつくる意識づけをしましょう。

融資を受ける(借入する)

時間をつくるにしても、単価の安い仕事を断るにしても、お金がないと手が縮こまってしまいます。
「事業の構造」を変えるために融資を受けるべきでしょう。

どのくらいの単価の仕事が必要なのか、一旦断った仕事に対してどのくらいの資金があれば事業を継続させられるのか、など融資の前提となることも考えておきましょう。その際に、顧問税理士などにしっかりと相談するのも忘れずに。

そのうえで、融資を受けて単価を上げていけばよいのではないでしょうか。

営業する

単価の低い仕事を単価の高い仕事に変えるのは、既存の単価の安い取引先に価格交渉をしても難しいでしょう。

ですから、新しい取引先を探すなどの営業が必要です。
営業といってもさまざまな方法がありますし、得手不得手もありますから、試行錯誤することも必要です。

ある程度の営業力がついてくれば、単価の悪い仕事は断ることが容易になりますから、継続的に取り組むべきでしょう。仕事を自分で取れる(穫れる)となれば、安い単価で受けなくても良くなるし、仕事のクオリティも上がります。