黒字だからって税金を払ってるとは限らない

 黒字の決算だったからといっても、必ず法人税を払っているとは限りません。過去に計上した赤字を一定の年数繰り越せる制度があるからです。

法人税は利益にかかるが…

 法人税は利益に対して課税される税金です。黒字であれば、利益がでているのだから法人税はかかります。

 

 しかし、税金を計算する上では繰越欠損金という制度があります。この制度は、簡単にいえば、過去に計上した赤字を一定期間繰越せるというものです。(細かい適用要件や繰越せる期間、金額の説明は割愛します)

 

 繰越欠損金があれば、その範囲内で黒字を出しても、相殺されてチャラになりますので、法人税は払わなくてもよくなります。

 

黒字決算と黒字申告

 黒字決算と黒字申告、両者は似ているようで微妙にニュアンスが違います。細かい事を言い出すときりがないので、大雑把に解釈すると、黒字決算は繰越欠損金を考慮する前の状態で黒字。黒字申告は繰越欠損金を考慮しても黒字になったので、法人税を支払った申告といった感じです。

 

繰越欠損金の範囲内で黒字をコントロール

 繰越欠損金の範囲内で、黒字をコントロールすれば、「決算書上は黒字」であるにもかかわらず、黒字(利益)に対して課税される法人税は支払わなくても良い状態になります。つまり、黒字だからって税金(法人税)を払ってるとは限らないわけです。(ちなみに消費税は黒字・赤字といったことは関係ありません。赤字であっても、消費税を支払う事はあります)