これから就職活動が大変そうなので、自分だったらどうするか考えてみる

コロナウイルス感染症の影響で、就職活動が厳しそうですが、自分だったらどうなのかなと考えてみました。

氷河期の状況

私が大学在学中に就職活動した頃は、いわゆる超氷河期。バブル崩壊後の長引く不況に加え、消費増税の影響などで、企業の体力は低下し、それに伴って、採用も抑制されるとう超買い手市場。
大学の同期には50社くらい受けてやっと内定が出た…という人もいました。聞いた話では、もっと沢山の面接を受けていた人もいたようです。
ちょうどインターネットによるエントリーが始まった頃なので、ずっと昔よりの就職活動よりは現代に近いかたちでの就職活動だったかもしれません。

やめるときは辞める

さて、我々の時代の就職活動はとても厳しかったから、現代のコロナ下における就活生も甘ったれるなとか、そんな根性論は意味もないし嫌いです。
景気は良くなったり悪くなったりのサイクルがあり、人は生まれる時期を選べませんから、就職活動のときに「たまたま景気がよくって」という人も居れば、「めちゃくちゃ厳しかった」という人もいるわけで、こればかりは仕方がないないことです。

ただ、面白いもので、氷河期に苦労して内定を得て入社した会社でも、すぐに辞めてしまう人はいます。私も、元々は就職活動をして、某上場企業に勤めていましたが1年ほどで辞めて、その後紆余曲折を経て、税理士しているという経緯があります。
私以外にも、同期で辞めていった人間は沢山いますし、今ではもう連絡も取り合っていませんが、風の便りで頑張っている同期もいるようです。
苦労して内定とっても、辞めるときは辞めますし、逆に望まぬ会社であっても、入ってみたら意外と水があったという人もいます。

学生時代に見えている「社会」は狭い

就職活動をしている時点では、みな学生ですが、学生時代に見えている「社会」はとても狭いです。
世の中にはいろんな仕事があるし、いろんな人がいるし、いろんな働き方がある…とアタマでは分かったつもりでも、知らない仕事や働き方はいっぱいあります。

学生時代に見える「社会」などごくごく狭い範囲でしかありません。
だから合わなければ辞めるというのもアリだし、頑張って続けてれば合ってくるというのもアリ。
そして、学生時代にいいなと思っていた仕事が意外と良くないなんてことはザラで、学生時代には思いもしなかった仕事をしている人も多くいます。

就職情報誌やエージェントはうまく使う

就職活動をするときに、私たちの時代は就職情報誌というものがありました。
いまはネットのサイトに移行しているのでしょう。
そこにある内容は半分はウソです。

就職情報誌やネット媒体にある「会社を紹介する記事」は、その会社から広告料などを受け取って、記事を掲載しているのですから、当然「提灯記事」になります。
まさか広告主を悪く書く記者はいないでしょうから。
だから「盛った」内容なんだと思っておけば、そんなに騙されることはないでしょう。

転職エージェントも同じ

新卒の就職活動とは違いますが、転職エージェントというものもあります。
転職希望の人間が、転職エージェントのサイトなどに登録しておくと、転職先を斡旋してくれる。
利用者に費用は発生しませんから、気楽に使えるように見えて、実は企業側がエージェントにお金を払っています。

企業としても、ハローワークから人を採用するよりもコストはかかるけれども、自社の希望に近い人材を取れるので、メリットがあります。
転職エージェントは、企業側から報酬を得るわけですから、一見すると転職希望者に寄り添っているように見えても、その実は強引に企業に放り込もうとしたり…担当者にもよりますが、そういったことも多々あります。

企業(仕事)を知る

もし、私が仮にいま大学生で就職活動するとしたらどうするのか?
資格を取ったり、勉強したりももちろん有効だと思います。
近年は景気が良かったこともあり、資格を取ってキャリアアップしようという大学生は減ってましたが、景気が悪くなると手に職をつけている人間は強いですので。

資格はさておき、就職活動ということで考えると、会社のことをもっと知ることから始めるのは有効かと。
大学生が知っている(上場)企業の数などは知れていて、また名前は知っていてもどんな仕事をしているのかまでは理解していないことがほとんどです。
会社は、千差万別で、業務内容が違うのはもちろん、社風というかカラーも違います。
会社の実態を知るには、財務諸表を見るのが手っ取り早いと思うのですが、学生レベルだと困難でもあります。
ですから、四季報とか日経読むのは有効ですし、上場してなくても、「良い会社」は沢山あります。
だから、とにかく沢山の企業を知る。仕事を知る。

歳をとると分かるのですが、世の中の大半のことは知っていればどうということはなく、知らないと怖かったり痛い目に遭うことがほとんどですから、「知って」おく。
オッサンになっても分からないと、痛い目に遭うというより、痛い目で見られます。

やりたくないことを明確に

企業を沢山知っても、すべてにエントリーできるわけではありませんから、何らかの方法で絞らなければなりません。
このときに、「やりたいこと」で絞ると、なかなか数が残らないし、ピッタリくるものはないことも。
そもそも明確にやりたいことがある人の方が少ないでしょう。

そこでむしろ、「やりたくないこと」を明確にして、それを外して(除外して)いけば、ハズレを引く可能性は少なくなります。

人見知りで初対面の人と話すのは疲れるという場合、飛び込み営業などは「やりたくない」でしょうから、そういった系の会社は除外する、という感じです。

ここで、絞り込みが「利かない」のであれば、まだまだ企業や仕事を「知る」ということが足りていないのかもしれません。
世の中には、自分の知らない会社や仕事が沢山あります。知っている中だけで、進路を考えるのはもったいないことでしょう。

資格を取るにも戦略的に

キャリアプランを考えるうえで、絶大な威力を発揮するのが「資格」ですが、ただ闇雲に資格の勉強をすれば良いというものでもありません。
先ほど、自分の知らない会社や仕事が沢山あるということに触れましたが、資格も同じです。
どんな資格があって、何をしてるのか、メリット・デメリットは?これらは最低限知っておくべきでしょう。
なかには、資格さえ取れれば何とかなるとの考えでやってる人も少なからずいます。そういった人は動機が弱いので資格を取れないことが多いし、取れたとしても食べていけないことも多いです。

「若いうちの苦労は買ってでもしろ」は本当

若いうちの苦労は買ってでもしろという諺がありますが、これは一定の真実を含むと思います。
10台後半から30代前半の頃は比較的責任が少ないし、体力的にも充実しているので、能力が最も伸びる時期です。
もっと年齢が上がると、養うべき家族が増えたり、社会的な責任も増えたりします。体力的にも少しずつ落ちてくるので、無理も効かなくなってくるし、病気などのリスクも出てきます。

ですから、その頃に頑張らないといけないし、頑張れない人は一生ダメ。(40代や50代で世に認められる芸術家もいますが、そういった人たちも10代〜30代を何もしていなかったわけではありません。)

10代後半から30代前半は、若いので起業したとしても諸先輩から可愛がってもらえることも多いです。40代とか50代になると人に聞きづらいことも、素直に他人に教えを請えるわけで、これも若さの特権です。

不要な苦労はする必要はないですが、必要な苦労もできないようだと、言い換えればズルやラクばかりしていると、ハッタリだけで何もできません。

他人と比べない

景気が悪くなると企業は採用を控えますから就職活動は厳しくなります。生まれた年によっては、比較的容易に就職活動が出来たのに…ということもありますが、好景気のときに採用された人は、(当然ながら本人の能力次第ではありますが)リストラの対象にもなりやすいです。
不景気のときは同期が少ないわけだから、出世もしやすいかも知れない。(少なくとも、厳選された人材ではあるでしょうから)

ですから、物事の良し悪しなどは気の持ちようみたいなところもあるので、他人とキャリアを比較してもつまらないだけです。

仕事や会社を多く知り、自分のしたくないことや特性を知ったうえで、就職活動に励めば良い結果が出るはずです。
他人がどのくらい内定出てるとかは比べても意味がありませんから考えない方がいいし、場合によっては資格の勉強をして、自分独自の働き方を見つけるというのもアリです。

一番ダメなのは流されて、ラクなズルい生き方を若いうちに覚えてしまうと、伸び代を無駄遣いしてしまい、30代後半以降の人生で取り返しがつかなくなります。