専門用語や略語を使わないというのは大事なスタンスですが、意識しないと難しいです。
なぜ略語を使うかというと
日本人は略語を使うのが好きですが、その理由は様々でしょう。
長々と正式名称を言うのが面倒だったり時間がかかったり、あるいは略語を使うのが一種の符牒のような役割を果たしていたり。単に略語を使うほうがプロっぽいというのもあるかもしれません。
会計の分野に関して言うと、簿記などの試験において取引を仕訳に変換していく際に、試験には時間の制約があるので、略語を使わざるを得ないというのがあるでしょう。
答案用紙を略語で作るわけには行きませんが、手元の集計用のメモなどは略語でサラサラっと書いてしまうというほうが圧倒的に早いですから。
現金を「C」キャッシュのCと表記したり、売掛金を売☓金(掛け→☓)などと書いたり。ただまぁ、簿記を知らない人たちには見せないほうが良いでしょう。
減価償却費を「げんぴ」と言ったら
人によるんでしょうが、減価償却費「げんかしょうきゃくひ」を略して、げんぴと言ったりします。
勤務しているときに、同僚(といっても年次は先輩です)に言ったら妙に怒られました。
まぁ、自分がわからなかったから怒ったんですが、伝わりにくい言葉を使ったわたしのミスでもあります。
「お客さんには伝わらないかもしれないから、極力専門用語・略語は使わないように」ということなんですね。
普段の会話でも、相手が何気なく使っている言葉の意味が分からなくても、話を止めて「どうゆう意味ですか?」と聞くのは難しい場面もあります。
専門用語・略語は使わない
専門用語をなるべく使わないというのは、税理士ほか専門家のホームページを見ているとちょくちょく見かけます。
個人的には、全面的に賛成とも言えません。
専門家に求められるのは、正しく伝えることです。専門用語を使わず正しく伝えられるのであれば最も良いですが、専門用語を使わないことを意識し過ぎて誤解を与えてしまうというのは問題があると思うからです。
略語も同じで、長々とした正式名称で話の焦点がボケるんだったら、略語でも良いかもしれませんし、略語が伝わらないのであれば使ってはいけないでしょう。
何度でも聞いてくださいね
略語や専門用語を使う使わないよりも、本質的なことは相手(クライアント)に物事を正確に伝えるということでしょう。
ただ、相手は専門ではないので、悪気なく忘れたり、すぐに頭に入らなかったりします。
だから、私のスタンスとしては「なるべくわかりやすく話はしますが、一度では伝わりきらないこともあります。ですから、同じことでも構わないので、何度でも気軽に聞いてくださいね」って感じです。
何度も同じことを聞かれても、別に腹も立たないし、こっちは知ってることを話すだけだけれど相手は知らないことなんだから当然だよな…という気分でしょうか。
同じこと何度も聞くと怒る税理士も残念ながらたくさんいますが、私からすると何度も聞いてもらえるほうがお互い誤解がなくていいと思うんですがね。
それにしても多い専門用語・略語
それにしても会計・経理の分野は略語が多いです。
ぱっと思いつくだけでも、
減価償却費=減費(げんぴ)、減価償却費=減償(げんしょう)、
年末調整=年調(ねんちょう)、
確定申告=確申(かくしん)などなど。
ちなみに、減価償却費とは、固定資産(長期間利用する目的で保有する資産)を費用化する手続きを減価償却といい、固定資産を取得したときに一括で経費にするのではなく、固定資産が使える期間にわたって徐々に費用化していくのですが、その際に計上される費用が減価償却費です。
言葉を変えても意味が通じる専門用語であれば、変えても良いかもしれません。
・納付→税金を支払うこと
・還付→税金が返金されること
まぁ、確かにうんざりします(笑)