赤字決算対策の必要性…赤字だと融資が受けにくい

 黒字申告の法人が25.9%といわれていますので、中小企業にも税理士事務所にとっても、赤字決算対策は重要になってきています。

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赤字だと法人税を支払わなくても良いが…

 赤字決算になると、利益に対して課税される法人税は支払わなくても良いことになります。(利益以外に対して課税される消費税や均等割などは支払う必要はありますが…)

 

 しかしながら、資金調達という観点からは赤字決算は望ましいものではありません。金融機関は、決算書をもとに企業の業績を判断しますので、赤字決算だと利益が出ていない→返済が出来ない・利息が支払えない→融資が出来ない、となってしまいます。

 

 中小企業の殆どは、資金調達のために金融機関を利用しますので、赤字決算対策も必要となってきます。

 

粉飾決算は絶対にダメ

 赤字決算対策とは具体的に何をするのでしょうか?

 

 決算を迎える前であれば、頑張って売上をあげて、費用を減らしていくことが考えられますが、決算を迎えた後だと採れる方法は限られてきます。

 

 一般的なのは、経理処理の方法を変更して利益を出るようにするといったところでしょう。(やりすぎると、決算書の期間比較性が損なわれるので問題がありますが、会社が潰れると元も子もありませんので…)

 

 利益を出すと、当然ながら、税金がかかってきます。ですから、繰越欠損金があればその範囲内で利益をおさめるとかの工夫が必要ですね。繰越欠損金が無ければ、諦めて税金払いましょう。

(参考)黒字だからって税金を払ってるとは限らない

 

 あと、架空の売上を計上したり・在庫を水増しして利益を増やすのはダメです。粉飾決算ですから。

 

 粉飾決算で銀行から融資を受けたとしても、詐欺ですよ。

 

 法律に則って、適法な範囲内で利益が出るようにするのが赤字決算対策です。

 

減価償却の未計上はオススメでない

 一番手っ取り早いのは、減価償却費を計上しないことです。その分だけ費用が減りますので、利益が増えます。

 

 しかし、金融機関も馬鹿じゃないのでこの手はあまりおススメしません。減価償却費を計上していなければ、金融機関が計上し直して査定します。

 

 それ以外の方法で、費用処理していたもののうち資産計上できるものが無いか確認するとかがよくある方法ですね。

 

 赤字決算にならないように、事業計画をしっかり立てて、計画の進捗を逐一確認し、修正していくのが一番良いのですが、どうしても赤字が避けられないこともあります。その際にも、経理処理を変更したりすることで利益を出すことが可能な場合もあります。まずは顧問税理士に相談してみて下さい。