決算対策を何もせずにいたら、赤字になってしまった。赤字になると税金は支払わなくても良いが、融資が困る… というわけで、赤字決算対策です。
来期が赤字になりそう…
来期が確実に赤字になりそう。でも、融資対策等で何とか黒字にしたい。そんな場合に有効なのは、役員報酬の減額です。役員報酬は、減額することが出来るのは一定の時期に限られています。
簡単に言えば、決算の時期に翌期の役員報酬を決めます。翌期が赤字の見通しであれば、このタイミングで減額しておくのが一番効果的です。
役員報酬を下げると、連動して社会保険料も下がりますが、すぐに社会保険料が下がることは無く、少し遅れてから下がります。(目安は3ヶ月ほど経過してからです)
役員報酬を下げても、手取額を維持したい場合には、役員借入金を返済するという方法もあります。(会社にお金があることが前提の方法です。)
会社にお金が無くて、それでも役員にお金を渡したい場合に、役員貸付も考えられますが、融資対策を考えるのであれば、役員貸付は避けるべきです。
減価償却費を減らす
減価償却費を減らします。あまり望ましいことではありませんが、赤字になりそうな場合には減価償却費を計上しないことも出来ます。
しかしながら、金融機関にすぐに見破られてしまいますのであまりオススメはしません。
棚卸資産を増やす
商品を仕入れるのに伴って支払った引取運賃などは、経費として処理することも出来ますし、商品の購入価額に加えることも出来ます。
商品の購入価額に加えると、経費が減りますので、利益を増やすことになります。
また、切手や印紙などは購入時に費用として処理をしていますが、未使用分を貯蔵品という資産として処理することも出来ます。やはり、経費が減りますので、利益が増えることになります。
30万円未満の資産の処理を変えてみる
30万円未満のモノを買った場合には、資産とせずに全額を購入した時の経費にすることが出来ます。多くの企業は、有利だし簡単なので、経費にする方法をとっています。
これらの30万円未満のモノも、資産としてしまえば経費が減ります。(あまりやりすぎると、固定資産の管理が大変になるという問題はありますが…)
(参考)少額減価償却資産で節税
役員交際費の一部は役員に自腹を切ってもらう
役員さんの交際費(飲み食いの支出です)を、役員さんに自腹を切ってもらいます。役員借入金などがあれば、それと相殺するのも良いでしょう。
これもやりすぎると、期間比較が出来なくなるので、よく考えなければなりませんが…
家賃などの前払計上
家賃などのように、翌月分を当月末までに支払っているモノって意外とありますよね。これらを、前払しているということで、前払費用という資産にします。(翌期の経費になります)
細かいテクニックですが、家賃などが大きい場合には有効です。
また、これとは逆に「サービスの提供は受けてるけどお金はまだ支払っていない」ものは、当期の経費になるのですが、敢えて当期の費用としない…ということも考えられます。(あまり望ましい方法ではありませんが…)
不要な保険や共済、会費などの支払を止める
資金繰りにも通じることですが、不要な保険や共済を解約します。また、おつきあいで支払っているような会費も止めてしまいます。
有効な手段ではありますが、決算前に対策をしなければいけないこと、何らかの必要性があって保険や共済に入っていたはず…といったことは考慮に入れなければなりません。