起業準備・実体験、創業塾は信じすぎない

起業の準備にあたって、創業塾(創業希望者向けのセミナー)がありますが、距離感をつかんで利用したほうが良いと思います。

創業塾とは

商工会議所などが主催する、企業志望者向けのセミナーのようなものです。

起業するのに必要な知識を一通り(?)教えてくれるイベントなのですが、主催者によっても内容が違うようです。

私は、某市の商工会議所が主催をしている創業塾に参加してきました。(こちらは、商工会議所の会員でなくても参加できました。ちなみに参加料は無料。ネットで検索をすれば、近くの商工会議所などで開催してると思われます。)

創業希望者向けの書籍によると、開業時の見込み客になったり、仲間になったりするので参加したほうが良いとか書いてましたので、参考になるかなというくらいの気持ちで参加しました。

商工会議所が主催じゃない?

私が参加してきた創業塾は、商工会議所が告知をしていました。週末に数時間を3回ほど。

内容は、先輩起業家の話や起業のための知識などを座学中心のスタイルで。

その後、数人単位のグループに分かれて、起業プランを具体化するワーク。(数人に一人、アドバイザー的な担当者がつく)

人によって感じ方は違うのでしょうが、起業プランを具体化するワークは「売り込み」があからさまだと感じました。

実は、この創業塾は主催が商工会議所ではなく、そこそこの規模の会計事務所の運営だったのです。

会計事務所とは

事業を始めると、自分で利益を計算して、その利益に基づいて税金を支払います。

これをしなければペナルティがあります。

ところが、時間や能力などの問題で、自分でできない場合もあります。

そういった場合に、外部に利益や税金の計算などのサポートを依頼します。(外部に頼むほうが制度が高いということもあります)

このサポートを生業にしているのが会計事務所(税理士)というわけです。

カラクリは

商工会議所が、創業塾を運営するには手間や能力・あるいはマンパワーの問題で難しいこともあるのでしょう。

そこで、創業塾の運営は外部に頼んでいるわけですね。

会計事務所としても、すでに会計事務所の関与が有る会社を奪ってくるより、「(まだ会計事務所が関与していない)起業家のタマゴ」に「ツバを付ける」ことができるので、悪くないわけです。

ただ、起業希望者が全てうまくいくわけではないし、参加者がみな起業するわけでもないので、ある程度規模のある大手でないと費用対効果があわないかも知れません。

参加者にとっては役に立つかどうかが大事

運営しているのが商工会議所か会計事務所なのかは、参加者にとってはそれほど大した問題ではありません。大事なのは、参加者にとって「役に立つかどうか?」です。

個人的な評価としては…

・役立つ点

◯起業に前向きになれる(まわりに志を同じくする人がいると意欲が湧きます)

◯先輩起業家などの話が聞ける(成功者を目の当たりにすると感じることがあります)

・人によっては役立つ点

△事例などの話を聞ける
事例などを聞いたところで、自分に完全に当てはまるわけではありませんので

△会計事務所と接点を持てる
会計事務所(税理士)を探すのが面倒だという場合にはいいかもです
また、売り込みがキツいので苦手な人もいるかも知れませんが無料だと思って耐えるしか(笑)

・役に立たない点

×見込み客を見つける、人脈を広げる
起業志望者はあまりお金を持っていないので、即座にお仕事になることはないでしょう
また、人脈を広げるならば高額なセミナーのほうが良いかもしれません

自分の頭で考え実行したことだけが血肉になる

創業塾などのような創業希望者向けのイベントは、やる気を起こすとかには良いかと思います。

ただ、先輩起業家の話を聞いても、それを再現できるとは限りませんし、その人にだけ合ったやり方だったということが往々にしてあります。

(どちらかといえば、起業失敗者の失敗談を聞いたほうが参考になるのではないでしょうか。)

なので、考えて実行するのは「自分」だという意識で参加する(創業塾に行けば創業が成功するなどと夢見ない)のであれば、いいイベントだと思います。