融資の審査では「決算書」の提出が求められますが、「何を見ているのか?」は気になることでもあるし、それを知ることで成功の確率を高めることにもつながります。
結論としては、金融機関は、「返せるかどうか?」を見ているだけです。
以下は、運転資金を前提にしています。

経常利益
融資を返済する源泉は「利益」です。
正確には「将来の利益」であり、将来の利益は予測するほかありませんから、予測の材料として「過去の利益」「将来の見通し」「返済余力」を用いています。
「過去の利益」はつまり実績ですから、過去の決算書のなかにある損益計算書から、「経常利益」をみます。
これは臨時的・偶発的な要素を排除した、会社が通常どおり稼働したら得られる利益です。
一般的には、ここがマイナスだと融資は難しいとされますが、金融機関によっては「減価償却費」を加算して見るところもあります。
※減価償却費は「資金」流出がない費用のため、資金的にはプラスになるため
(参考)融資の返済は利益ではなくキャッシュで行われるため、利益が出ていても資金繰りが悪ければ評価は下がることがあります。

将来の見通し
事業計画などから「将来の利益の金額」と「確度」を読み取ります。
事業計画には
- 融資を受けたことによる成果
- 改善計画による成果
を予測される見通しに加味して作成します。
勘違いしがちなのは、「必ずそうならなければならない」というものではありません。
現状の数値からそこに至る「根拠」のある、言い換えれば説得力のある数字を提示する必要があるということです。
また、借入金の使い道(資金使途)が「合理的」であるかも重要な判断材料です。
返済余力
「返済余力」は、貸借対照表の「長期借入金」と損益計算書の「売上」を比較するのが簡便でわかりやすいです。
借入金が多額だと、返済圧力が強くなりすぎて資金繰りに支障をきたすため、返済が見込めなくなってしまうからです。
いくつかの考え方がありますが、小規模企業ではわかりやすいのは
年商の半年分と現状の借入金残高の差額が「借りしろ」と考える方法です。
年商1億円なら、ざっくりと5,000万円が返済余力の上限です。現時点ですでに4,000万円の借入残高があれば余力は差額の1,000万円となります。
金融機関によっては年商を一定期間の平均(例えば3年平均など)で見るケースもあるため、売上変動が大きい会社は、返済余力が小さくなるケースがしばしば見受けられます。
決算書の異常項目がないか
決算書上の数値が良くても、決算書や会社経理に信頼性がないと、信用してもらえません。
決算書の特定の勘定科目には、経理の信頼性が反映されるものがあり、例えば以下のようなものです。
- 現預金
- 役員貸付金
- 仮払金
- 短期借入金
- 長期借入金
- 役員報酬
- 外注費
- 交際費など
会社資金が適切に管理されているか、公私混同がないか、経理の信頼性はあるのかが本質です。
まとめ
融資に際して見ているのは事業の評価だけでなく総合的な「返済能力」です。
過去の実績があり、将来の見通しもたてられる、そして返済する余力がある。
そのうえで、それらの根拠が信用できるか、ということです。
したがって、融資を受ける前に
- 経常利益を安定させる
- 事業計画の根拠を整理する
- 借入残高と売上のバランスを確認する
- 決算書の不自然な項目を見直す
といった準備をしておくことが重要です。







